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観客320人が会場に足止め 有村智恵らが不安をこらえて笑顔の対応【震災から10年 ゴルフ界の歩み】(No.168440) | ツアーニュース | ツアー情報 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net|GOLF情報

東日本大震災発生時、取材に応える有村智恵(撮影:ALBA)

東北地方を中心に、甚大な被害をもたらした東日本大震災。まもなく10年を迎えるにあたり、当時のゴルフ界の様子を振り返る。女子ツアーでは当時、シーズン2戦目の「ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ」初日の競技が高知県で行われていた。

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三陸沖で発生した強い地震の影響は、土佐カントリークラブにも訪れた。揺れこそ感じなかったものの、避難指示が発令され、海に面している会場は車両の出入りが禁止に。選手や関係者はもちろん、約320人もの観客がコースに足止めされる事態となった。

第1ラウンドは無事に終了したが、JLPGAは発災を受けて緊急で対応を協議。選手を集めたミーティングを開いて状況を説明したが、翌日以降の競技継続については、本部や主催者との連絡が取れなかったため、決定は先送りとなった。

そのあいだも車両規制は続き、観客はバスで待機。みかねた選手たちが、それぞれバスを訪ねてサインをして回った。宮城県の東北高校出身の有村智恵は、「連絡がとれない知人が何人かいます」と不安がよぎる中でも、「私たちはサインするだけなので。ずっと狭いところで待っていてくれて、みんな心配していました。何かできないかと思って」と、ファンを前に気丈に振る舞った。

翌日、再び行われたミーティングで競技不成立、大会の中止が決定。一夜明けて徐々に情報も集まってくるとともに、選手たちのあいだにも不安が膨らんだ。選手を代表して取材に応じた有村も、「テレビで仙台を見て、すごく心配で…」と、こみ上げる涙を我慢できず声を震わせた。

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