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新作プロト投入の『プロV1』シリーズ、『Z-STAR』シリーズ。何が変わった?プロの評判

タイトリスト『プロV1x』、スリクソン『Z-STAR』の新作プロトタイプ

来年モデルのツアーボール2大巨頭が新作のプロトタイプをツアー投入している。既に[スリクソン]()Z-STAR』シリーズも既に投入されて日を重ねている。プロは何が変わったと感じているのだろうか?

■柔らかい方の【黒】はどう変わったか?

まずは、ツアーボール2機種体制のうち、柔らかい方。『プロV1』も『Z-STAR』も数字の色が黒い方ということで、プロの評価を聞いてみた。まずは、『Z-STAR』のプロトタイプ、黒い方。

ブリヂストンオープンから新作のプロトを投入したよ。ボクはずっと黒い方だけど、新しいプロトタイプはそんなに変わった気がしない。ボクはくっついてしっかりスピンがかかる方が好きだからね。フルショットのフィーリングは前作とあまり変わらずで、ショートゲームで確実にスピンが増えた実感がある。これは嬉しいよ。大枠で激しくフィーリングが変わってないから、すぐに替えられたね」(小田孔明

「前のものとの比較としては、アプローチでスピンがすごく入るようになりました。とはいえ、前は『プロV1』の旧作だったんですけど。『プロV1』の新作も打ってみたんだけど、ちょっと自分のフィーリングとは違って、『Z-STAR』の新作になりました。フィーリングとしては、『プロV1』の旧作より『プロV1』の新作の方が柔らかくなった感じ。『Z-STAR』の新作はカバーだけが柔らかくなった感じかな。だから、アプローチで『プロV1』の時よりスピンが入って止められる感じが出ていて気に入っています」(契約フリーのキム・ヒョンソン

今度はタイトリスト『プロV1』の黒い方。

「(契約ではなく新『プロV1』を使用したあるプロ)匿名で書いてよ。契約違うからしゃべれないから! 新しい『プロV1』プロトは5ヤードくらい飛んでる。飛び方、飛びざまがいい。昨日打った瞬間、風に強いな…と思ったので、今回使った。ぴゅっといくより、重く飛ぶ感じ。アゲインストでも飛ぶ。低スピンなのかも……」(ある新『プロV1』使用プロ)

「新しい『プロV1』、はい、打ちました。距離が出ているなと思った。使ってみて、体感で5ヤードくらい伸びたかな。今週は打感が微妙に違うのと、パターのフィーリングが柔らかくて、まだ使えてません。テストはしていくけど、来週もまだ変えないと思う」(今平周吾

「ちょっと使えるのは、かなり先になりそう。新しい『プロV1』は、ボクの中ではかなり柔らかくなりすぎてしまって。柔らかくなったから、ボールを潰して離すときに、さらにもうひと入れを本能的に入れてしまう感じといったらいいかな……。(そんなに違う?)やっぱり、そこが分からなきゃ、プロゴルファーとして、この場に居れないでしょ。ドライバーもアイアンもフルショットは同じ感じで、柔らかくなり過ぎた感じにアジャストするには、オフにしっかりやらなきゃって感じがします」(武藤俊憲

⇒ 総評としては、『Z-STAR』はボールとしてのフィーリングを大きく変えることなく、アプローチスピン量を増したと語るプロが多かった。また、『プロV1』はフィーリング的に「柔らかくなった」と語るプロが多く、ドライバーのスピン量が減ったのか、飛距離アップを口にするプロが多かった。

■硬い方の【赤】はどう変わったのか?

今度は、2機種のうち、硬い方の『プロV1x』と『Z-STAR XV』について。両機種とも、数字のカラーが【赤】のものだ。まずはスリクソンの『Z-STAR XV』から。

「まだ新作には替えられていなくて、『Z-STAR XV』の現行モデルの方です。新しい『XV』のプロトはテストしましたけど、そんなに変わっていない感じですが、微妙なフィーリングの差とか、距離感とか、これから秋の大事な試合が続きますし、やっぱりアジャストするのに問題が出ると怖いので、オフにやろうかなと。でも、移行にそんなに時間はかからないと思います。特に変わったと感じる部分があるとすれば、ドライバーで打ったときの飛び方。新作プロトの方が、弾道が重い感じの飛び方をしますよ」(秋吉翔太

「硬さ的にはあんまり変わった感じはしないよ。若干柔らかくなったくらいの違いかな。フルショットのフィーリングは前の『XV』と硬さがそこまで変わってないから使いやすい。変わったと感じるのは、アプローチ。明らかにスピン量が増えた感じだね。他のショットはそこまでスピン量が変わった感じはしないね」(塚田陽亮

次は、タイトリスト『プロV1x』。こちらは使用者に若干の変化が。

「トラックマンは測らなかった。今平周吾に(飛距離で30ヤード離されていたのが、残り10ヤードほどに)近づいたので、もうそれだけで十分、データはいらないです。だいぶ今平が見えてきました。直進性がすごくいいし、自分のなかではつかまえすぎるのがなくなったから、あまり左に行くミスが減ってものすごくいい。前のやつ(『プロV1x』の2015年モデル)はちょっと固かった」(谷口徹

「今回は『プロV1x』の方を使ってるんですよね。(前からずっと『プロV1』ユーザー)距離がいくのと、やわらかい。前の『プロV1x』よりも。ボールコントロールもよさそう。とりあえず『プロV1x』でいってみようかなと。なにかあったら『プロV1』(現行)。新しい『プロV1』も距離は伸びている、キャリーで3〜4ヤードくらい伸びている感覚。スピンはほぼ変わらない感じで、ちょっと伸びているかなくらい。『プロV1x』は、距離が行くのと押さえが聞く。固くないので。いい感じなんですよね。ちゃんとスピンも入るので、飛んで止まるイメージ。それでいて、ちょっと柔らかいからいけるかなと」(藤田寛之

「ちょっと『プロV1x』は柔らかくなった感じがある。アイアンもアプローチも、スピン量が増した感じがするね。カバーが柔らかくなったのかもしれない、ほら、見てよ。カバーに少しささくれがあるだろう? 前よりスピンが入るのはこの辺りかもしれない」(W・J・リー)

⇒ 『Z-STAR XV』に関しては、フィーリング的にそんなに変わらないが、少し柔らかいとの声が多数派。『Z-STAR』と同様に、「アプローチスピンが増えた」と喜ぶプロが多かった。そして、『プロV1x』も「柔らかくなった」と語る声が大半。歴代『プロV1』ユーザーの藤田寛之も硬さとスピン量で『プロV1x』に替えている。

2大巨頭の両方とも、「硬い方が柔らかく」との共通点があるようで、これは今後3番手以下のメーカーのツアーボール開発に大きな影響を与えそう。「硬いがぶっ飛ぶ」のポジションは、ガラ空きとなってしまったのだろうか…。

Text/Mikiro Nagaoka

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