• HOME
  • 記事
  • ゴルフ
  • 「アプローチの止まり方を重視して」タイトリストがボール選びで伝えたいこと【記者の目】

「アプローチの止まり方を重視して」タイトリストがボール選びで伝えたいこと【記者の目】

タイトリストの「ボールフィッティング」が成田ゴルフ倶楽部の練習場で実施された

タイトリストが注力する「ボールフィッティング」に関するメディア向け体感会が開かれた。言わずと知れた、ツアー使用率世界ナンバー1である同社はフラッグシップの『プロV1』『プロV1x』以外にも多数のラインナップを持つ。そして、昨今ボール市場へ参入するメーカーが増える中、ボールフィッティングにも注力している。

この日は、そのフィッティングの中身を記者4名が体感したのだが、分かりやすく概要として大事なことを伝えると下記のようになる。

【ボールフィッティングの特徴(タイトリストが伝えたいこと)】

・50ydのアプローチ⇒ 7番アイアン⇒ 1Wの順にトラックマンで計測する。
・理由は、グリーンに近づくほど、ボールの性能差が生まれるから。
・そして、アベレージになるほど、アプローチの回数が増えるから。
・昨今はボールの違いでドライバーの飛距離には大差がない。
・打感は好み。性能に大幅な影響はない。
・アプローチ、アイアンの地面への落下(ランディング)角度やスピン量を注視、止まり方を見極める。プロは、どのショットでも最適なものを判断して使用している。
・「プロが使うボールは難しい」というのは思い込みで、『プロV1』を使ってスコアが良くなる年配のゴルファーはまだまだかなりいる。

下記に、今回のフィッティングのゴルファーサンプルを記載。どんなタイプのゴルファーにどんなボールが推奨されたのか? フィッティング結果とフィッターの意見を参考にしてほしい。

<ゴルファーA:ヘッドスピード約47m/s、持ち球フェード、使用球『プロV1x』>

■56度のSWで50ydのアプローチ
『プロV1』 ⇒7,400回転、打ち出し28度
VG3』 ⇒5,068回転、打ち出し31.6度
・安定してスピンがかかるのは『プロV1』。スピンの差、約2,400回転
・「50ydでピタリと止めるのに必要なスピンは5,500回転以上」とのこと。

■7番アイアン
『プロV1』 ⇒6,598回転、ランディング角46.9度
『プロV1x』 ⇒6,900回転、ランディング角52.2度
・『プロV1x』の方がキャリーが出てランディングが大きく、止まる球に。
・7Iの理想的なスピンは6,000〜7,000回転とのこと。

■ドライバー
『プロV1』 ⇒1,900回転、ランディング角22度
『プロV1x』 ⇒2,179回転、ランディング角28度
・ランディングは33度以上が必要なため、ドライバーを変えることでさらに改善できそうとのこと。
★結果、ゴルファーAのエースボール通り『プロV1x』がベスト!

<ゴルファーB:ヘッドスピード約38m/s、持ち球ドロップ気味のフック、使用球ディスタンス系で固定せず>

■56度のSWで50ydのアプローチ
『プロV1』 ⇒6,588回転、打ち出し32.4度
VG3』 ⇒3,381回転、打ち出し31.6度
・ディスタンス系より、スピン量を倍増されられ、止められる結果に。

■7番アイアン
『プロV1』 ⇒4,659回転、ランディング角33.8度
『プロV1x』 ⇒4,954回転、ランディング角34.7度
・ゴルファーAには機能した『プロV1x』でもスピン量が不足し、ドロップ気味。

■ドライバー
『プロV1』 ⇒1,100回転、ランディング角13.0度
『プロV1x』 ⇒1,914回転、ランディング角24.5度
★結果、ゴルファーBには『プロV1x』が及第点。アイアン、ドライバーではドロップ改善にクラブのロフトやシャフト検討の余地はあるが、アプローチでディスタンス系ボールの使用を替えると大きな差が出る結果に。

<ゴルファーC:ヘッドスピード約45m/s、持ち球ドロー、使用球『プロV1x』>

■56度のSWで50ydのアプローチ
『プロV1』 ⇒5,261回転、打ち出し35.9度
VG3』 ⇒3,242回転、打ち出し39.3度
『プロV1x』 ⇒5,956回転、打ち出し33.3度
・スピン量が少なく、高い打ち出しをするタイプとフィッター判断。
・ボールによる違いが出にくいタイプだが、『プロV1』がいいのではとのこと。

■7アイアン
『プロV1』 ⇒7,274回転、ランディング角53.1度
・適正スピンが出ているので、この時点で『プロV1』がベストと判断

■ドライバー
『プロV1』 ⇒1,948回転、ランディング角39.9度
★結果、ゴルファーCには『プロV1』がベスト。

<ゴルファーD:ヘッドスピード46m/s、持ち球フェード、使用球『プロV1x』>

■58度のSWで50ydのアプローチ
『プロV1』 ⇒6,774回転、打ち出し32.4度
・理想的な止まる球が『プロV1』で打てると判明。

■7アイアン
『プロV1』 ⇒6,524回転、ランディング角49.5度
『プロV1x』 ⇒6,060回転、ランディング40.8度

■ドライバー
『プロV1』 ⇒2,200回転、ランディング角22.5度
『プロV1x』 ⇒2,175回転、ランディング角24.3度
★結果、ゴルファーDはエースの『プロV1x』か『プロV1』のどちらを選んでもOK。

Text by Tomo Tokura

関連記事