比嘉真美子もパットラムも、惜しい!! もう一つの【日の丸ギア】がメジャー獲り寸前だった件
「全英リコー女子オープン」、惜しくも2位に終わったポーナノン・パットラム。比嘉真美子は4位タイでした…(撮影:GettyImages)
<全英リコー女子オープン 最終日◇5日◇ロイヤルリザム&セントアンズGC(6,585ヤード・パー72)>
比嘉真美子のメジャー獲りが惜しくもならなった。そして、もう一つの【日の丸】のメジャー獲りもあと一歩だった。「全英リコー女子オープン」は、地元のジョージア・ホール(イングランド)が優勝。2打差の2位は3日目まで首位のポーナノン・パットラム(タイ)だった。
もう一つの【日の丸】とは、選手ではなくギアのこと。ポーナノン・パットラムが使用するのは、兵庫県・姫路発のカスタムパーツメーカー、「Baldo(バルド)」。2011年からLPGAツアーを主戦場とする唯一人のタイ人女子プロとなったパットラム。現在は米国LPGAツアーを主戦場に、ツアーの中でも主力として活躍するが、2016年からバルドと契約して戦っていた。
米国LPGAを主戦場に戦うプロならば、米国を本拠に置く海外大手メーカーのクラブを選ぶことは当たり前の選択だ。サポートをすぐに受けられることはプロにとってメリット以外の何者でもない。ところが、そのメリットを捨ててまで日の丸ギアを選んだワケとは何なのか。
「自分のフィーリングにマッチするクラブだし、世界最高峰のツアーでもっと上を目指すにはこのクラブしかないという信念があったからです。実際にドライバーの飛距離が伸びて、ゴルフの組み立てが変わりましたから」(パットラム)
こと日本では、カスタムパーツのみならず、バルドも知る人ぞ知るクラブかもしれない。だが、タイでは事情が違う。ゴルファー天国で強いジュニアが次々生まれるこの国に早くから目を向けていたバルドは、タイでも積極展開。今では大手メーカーに負けない存在感を発揮しているのだ。
カスタムパーツゆえに調整は自在、自分のスイングに合うヘッドとシャフトの組み合わせが結果を出してくれる。パットラムからすれば、確かな性能で“メジャー”ブランドを選ぶことはごく自然な成り行きだったのかもしれない。
日本人選手のメジャー獲りは悲願とされているが、日の丸カスタムパーツのメジャー獲りもまた同様。そして、その両方が夢ではなく現実に近づいていることを確かに感じさせる大会だった。
【ポーナノン・パットラムの使用ギア(WITB=Whats in the Bag)】
1W:BALDO TTX 420 DRIVER(9°)
3,5W:BALDO TTX FW(14.5,17.5°)
UT:BALDO TTX UT(21,24°)
5I〜PW:BALDO CB16 IRON VERSION2
A,SW:BALDO STRONG LUCK WEDGE VERSION2(53,59°)
PT:BALDO STRONG LUCK PUTTER
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