ウズベキスタンが初16強入り! 開催国リトアニアは全敗。|勝負を分けたトレンド「外側ボレー」動画&解説|W杯7日目
グループAは、進出が確定していた2勝同士の対戦は引き分け、得失点差によりカザフスタン1位、ベネズエラ2位となった。同時刻に行われた2敗同士の対戦は、コスタリカがリトアニアに6-2で勝利し「勝ち点3、得失点差-2」でワイルドカード争いに回った。開催国リトアニアは勝ち点を挙げられずにグループステージ敗退となったが、最終戦で意地を示した。残り10分間の長いパワープレーで果敢に勝利を目指し、キャプテンのザガースカスがロングシュートを決めると、地元ファンからは大きな拍手が贈られた。
グループBは、結果的にロシアサッカー連合が3勝、2位争いはグアテマラ、エジプト、ウズベキスタンが1勝2敗で並び、得失点差決着でウズベキスタンが初のグループステージ突破を果たした。3位はグアテマラで「勝ち点3、得失点差-5」という成績で他グループの結果を待つ。4位のエジプトは初戦でロシアに0-9と大敗したのが響いた。
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■グループF エジプトvsウズベキスタン|試合ハイライト(引用:J SPORTS)
この一戦はグループCの2位、3位、4位が賭かった、この日行われた最もホットな試合である。エジプトは引き分け以上で2位、だが負けると得失点差により4位が濃厚。一方、ここまで4位のウズベキスタンは勝つしかないが、勝てば3位以上は確定で、グアテマラの結果次第では一気に2位に躍り出るチャンスもあるという背景のなか行われた。
セットプレーのトレンドはW杯でも「外側ボレー」
「緊張感の高いゲームはセットプレーが勝敗を分ける」「得点の2割はセットプレー」という格言がフットサルにはある。
ちなみに「得点の6割はカウンター」で、ハーフコートで構える守備陣を攻撃側が崩す「定位置攻撃」での得点は、実は少ない。これが緊張感の高い試合になるとなおさらで、守備には力が入り、定位置攻撃はカウンターを受けないようにリスクをコントロールしたものになる。そこで最初の格言「緊張感の高いゲームはセットプレーが勝敗を分ける」にたどり着くのである。
この試合を分けたのは、ウズベキスタンの2つのセットプレーであり、大きく分類すると2つとも「外側ボレー」というカテゴリーに入る。
2分のニシャノフの得点はキックインからのグラウンダーパスをダイレクトシュート。
34分のA・ラクマトフの得点はコーナーキックからのループパスをダイレクトボレーシュート。
日本代表もアンゴラ戦ではオリベイラ・アルトゥールが、スペイン戦では逸見勝利ラファエルが、2つ目と同じ形で決めている。さらにスペイン戦で日本の3失点目は、フリーキックからの1つ目の形である。他の試合でもこのパターンの得点は多い。先述のリトアニアが一矢報いたゴールもそれだ。
サッカーからフットサルへの転向が話題の松井大輔(Y.S.C.C横浜)も日本対スペインの試合中継で「ボレー練習しようかな」と、フットサルの特徴として「ボレーシュートの多さと技術力の高さ」に言及している。
これらの共通項は「守備陣の外側から」「パスの質が高い」「ダイレクト」「良コース」といったところだろうか。
定位置攻撃でもそうからもしれないが、守備陣形が整っていると、その中を崩すのは容易ではない。そこで「外側のスペース」という発想になり、そのスペースが消えないうちに「質の高いパス」と「ダイレクトシュート」が必要となる。そして「試合の50%を決めるゴレイロ」の壁を抜ける「良コース」へシュートを打つ。
セットプレーは当然、止まった状態から始まる。時間とスペースを使える局面が何度もあれば、ワールドクラスのプレーヤーならば。というのが今回のW杯で「外側ボレー」がセットプレーのトレンドになっている理由ではなかろうか。
ただし、戦いが進めば「外側ボレー」を布石に、あえて守備陣の中を攻略する「カオス」というセットプレーが新たなトレンドになるかもしれない。
ちなみに「外側ボレー」は、元日本代表で現在は我が編集部メンバーの渡邉知晃氏の代名詞「フラペチーノボレー」として、Fリーグをご覧の方にはお馴染みのパターンである。
試合の結果は以下のとおり。
9月19日|大会7日目の結果
[グループA]
ベネズエラ 1-1 カザフスタン
コスタリカ 6-2 リトアニア
1位 カザフスタン
2位 ベネズエラ
3位 コスタリカ[wc]勝点3・差-2
4位 リトアニア
[グループB]
グアテマラ 1-4 ロシアサッカー連合
エジプト 1-2 ウズベキスタン
1位 ロシアサッカー連合
2位 ウズベキスタン
3位 グアテマラ[wc]勝点3・差-5
4位 エジプト
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