スペシャルコンテンツ Masaya Fantasista Vol.3「スポーツを自由に楽しめる空間をつくる」

2020年9月、東京スカイツリーのお膝元に、スポーツクライミングの“聖地”が誕生した。「THE STONE SESSION TOKYO」を全面的にプロデュースしたのがJazzySportだ。
スポーツと音楽の融合を掲げて活動してきたJazzySport主宰のMasaya Fantasista氏はなぜ、スポーツクライミングの世界にどっぷりとハマっていったのか。
「SmartSportsNews」の独占インタビューを3回に分けてお届けする。

子どもの成長を見られるような場所に

――「LATTEST SPORTS」が9月にオープンしましたが、クライミングジムやカフェだけでなく、こういった複合施設の構想はいつ頃からあったんですか?

一昨年の秋、2018年くらいから相談を受けていて、本当は2020年の春先にオープンするはずがコロナウィルスの影響で9月末にずれ込んだ形になりました。ただ、もともと東京にも盛岡のTSSのようにJazzy Sportのクライミングジムを絶対に出したいとかそういう思いはありませんでした。本当にタイミングと縁があってやることになりましたね。

――店舗デザインを考えるとき、最初はどんなイメージでした?

境界線はあまりない形というのはベースとしてありつつ、最初は高架下に何もない状態だったのでイメージは難しかったですね。でも高架下から外れて天井が高くできるエリアにはボルダリングの壁を設置しようというのはすぐに決まりました。そのうえで「なにも買わないけど、ただ通り抜けるだけの導線にもなる場所」という空間があってもいいなと思ってイメージしました。

――確かにただ通り抜けていくだけの人は結構いますよね。カフェ併設というのは元からあったコンセプトですか?

それは一緒にやる母体がコーヒー屋だったからというのが一番の理由ですね。でもコーヒーがクライミングの界隈に望まれているものというのは感じていました。小さいクライミングジムでも結構しっかりとしたコーヒーを淹れているところも多く、そこのクオリティを求めている人は意外と多いんです。あと海外のジムに行くと、サッカーのクラブハウスと同じで飲食とかがすごく充実していたりするのでそういう場所にしたいという思いもありました

――ここはほかにサイクリングショップや子ども用の砂場まであるおしゃれな複合施設になっていますよね。

僕は昔からある日本のスポーツと体育という悪しき風習、それをなんとかして変えたいという思いが根本にあるんです。それはクライミングとか競技に関係なく思っているところです。僕の中で体を動かすことと、それ以外のいろいろな要素は同じ場所に普通にあるものなんです。運動=体育ではなく運動=LIFE そういう感覚を小さい頃から持っていて、それをここで表現したいと思っていました。

――確かにいろいろな要素が同居しているからクライミングをやる人だけでなく、小さな子どもからかなり幅広い人が遊びに来る場所になっていますよね。

例えばジャジスポがサポートしているクライマーの伊藤ふたばは、小学生の頃から盛岡のTSSに通っていて今は18歳。明らかにああいった環境にいなければ、あんなにかっこいい子に育たなかったと思うんです。だから少なからずこうした環境が子どもの成長に影響があると思っているんです。

――子どもの頃からいろんな世代の人と自然と触れ合える空間というのは、今の時代貴重かもしれないですね。

そもそも僕は未来のため、子どもたちのために少しでも世の中を良くするには何をするかというところで生きてきました。そこで今回のこの縁はチャンスだなと思いました。例えばハイハイしかできないくらいの小さな子どもが砂場でつかまり立ちができるようになって、滑り台が滑れるようになって、そのうち子ども用の小さなバスケゴールデダンクシュートもできるようになって。段々と砂場じゃ満足できなくて、こっちの簡単なクライミングの壁をよじ登り出したと思ったらあっという間に難しい方の壁を登ったりするイメージです。

――確かにここは一見さんというより、地域の人の生活の一部に根差した空間というイメージですね。

スカイツリーのお膝元ですし、滅多に来れない方々に観光名所的にも立ち寄って欲しいのも勿論ですが、子どもの成長を見られるような長い付き合いを地域の人たちとしていきたいと思っています。今まではレコードショップと何かをミックスするというところでやってきましたけど、それ以上に人々の生活にすごく近いところに寄り添える場所。それがこの店のコンセプトですね。

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