
前回の記事の最後に、「NBA(アメリカ)」「NBL(オーストラリア)」「ユーロリーグ(ヨーロッパ)」「Bリーグ(日本)」のそれぞれのリーグで「ファンになったキッカケ」についてまとめた。今回はこの「世界プロバスケリーグ」のスピンオフとして、それぞれの人にあったオススメのリーグを紹介していきたい。
筆者自身も全く興味のない物事をあるキッカケから好きになった経験は多くしているが、果たして人はどういう時に、どうやってそのコンテンツを好きになるのか。スポーツ、特にバスケットボールにおいてはどういった経路があるのか。今回は肩の力を抜いて、気軽に読んでもらえたら嬉しい。
人がスポーツを好きになるキッカケとは
| リーグ | ファンになったキッカケ |
| NBA(アメリカ) | スター選手の活躍、SNSや動画でのプレイ体験、ブランドやカルチャーへの興味 |
| Bリーグ(日本) | 地元チームやマスコットへの愛着、家族・友人の影響、動画での試合ハイライト |
| NBL(オーストラリア) | 地元チームへの愛着、家族向けイベント、学校・地域コミュニティとの接点 |
| ユーロリーグ(欧州) | クラブの歴史・地域愛着、アリーナでの応援体験、チーム・クラブブランドへの共感 |
上記は前回の記事の最後に書いた内容である。
今回はこれをさらに突っ込んで書いていくため、より「日本在住の方」が「それぞれのリーグを知る・好きになるキッカケ」になっていくはず。
前提として、博報堂に属する研究機関「メディア環境研究所(※1)」と市場調査・コンサルティング会社で有名な「MMD研究所(※2)」によると、日本において「スポーツ観戦の好きになるキッカケ」の第1位は、「好きな選手(推し)がいる」。選手のプレーやルックス、人柄などが理由で観戦を始めることが多く、特に若年層(10-20代)においては76.6%が「推しがキッカケ」と回答しているほど。次点で「競技そのものが面白い」が来る形(以降の情報も上記文献をもとに作成)。
少し乱暴な言い方かもしれないが、「スポーツを好きになる」のではなく「人を好きになる」が日本においては非常に特徴として読み取れる。競技の魅力よりも、選手の魅力をあらゆる角度から知っていくことが、きっとあなたにとっても新たな世界を広げてくれるはずだ。
▼日本におけるスポーツ観戦・好きになるキッカケランキング
| キッカケ | 内容 | |
| 1位 | 好きな選手(推し)がいる or 見つけた | 選手のプレー、ルックス、人柄などが理由で観戦を始める。若年層(10〜20代)で特に高く、76.6%が「推しがいる」と回答 |
| 2位 | 競技そのものが面白い/白熱するから | ゲーム展開・戦術・ハイライトの楽しさで興味を持つ。男女幅広い層で高い割合 |
| 3位 | 友人・家族に誘われた/地域・学校で触れた | 地域密着・コミュニティ起点の観戦。友人や家族との体験が入口になるケース |
| 4位 | SNS・切り抜き動画・配信で知った | YouTube・TikTok・公式配信などで偶然見たハイライトや選手情報が入口。若年層・ライト層で強い |
| 5位 | 会場やイベント体験が楽しかった/アクセスが良かった | スタジアムでの観戦、音楽・演出・仲間との観戦体験など、現場でハマるケース。配信視聴の利便性も含む |
もちろん、あくまで「好きになるキッカケ」であるため、これは入口にすぎない。もっと好きになっていくのは「競技が面白い」「非日常体験ができる」などなど、実際に現場に足を運んだりすることでどんどん好きになっていく。
このようになってくると、例えばあなたがバスケ好きの男性だとして、好きな女性をバスケ観戦デートに誘いたい場合、「バスケ観に行こう!」と誘うよりも「絶対にAちゃんのタイプのイケメン選手がいるから観に行ってみない?」と誘った方が効果的かもしれない。最近は特に、バスケ選手もビジュアルを気にして髪型をオシャレにしたり脱毛に行って綺麗にしたりしているから、なおさらあなたにとっての「イケメン」を探してみるのも面白いだろう。
また、Bリーグは特にこの「"推し"を見つけることからファンになってもらう」というSNS戦略の1つとして考えており、選手を使った動画を作ることが非常に多い。"推し"になりそうなポテンシャルのある選手のInstagramの動画を見せて「好きかも?」と思ってもらい、現地に行って確認するというデートプランもありかもしれない。
また、やはりどんな時も「共通点」は強い。自分の地元のチームであれば誰でも注目して見てしまうものだ。筆者は茨城県出身だが、やはり茨城のプロチームはバスケットに限らず追ってしまうものである。家族や友人からのレコメンドも非常に強く、「スポーツを見にいく」というよりも「その人と一緒に行きたい」で、結果的に観戦に行きハマるといったケースはメジャーであろう。
▼好きになる5大要素
| “推し選手”が最大の入り口 | 特に女性・若年層で効果が大きく、SNSとの相性も良いため、新規ファンの獲得戦略に直結 |
| 競技そのものの面白さも根強い | コア層・中高年層では、単純に試合や戦術が面白いことが観戦継続の理由に直結 |
| 友人・家族・地域との接点は強固な動機 | Bリーグのような地域密着型リーグで効きやすく、長期的なファン化につながる |
| SNS・配信は“初期接点”に効く | 若年層・ライト層のファン化入口として重要。NBAハイライトや切り抜き文化と親和性が高い |
| 現場体験・アクセス性は“実際にハマるキッカケ” | スタジアムでの体験や配信の手軽さが、観戦行動の定着に影響 |
それでは、この企画の軸である、世界4大リーグはどんな人にオススメなのか。次章で紹介していきたい。
タイプ別!あなたにオススメのプロバスケリーグ
大前提として、バスケットを全く知らない&興味がない人が、日本において知名度がそう高くないオーストラリアのNBLや欧州のユーロリーグを好きになることは、よほど特殊な入口がない限り難しい。なぜならそもそも露出しているものが日本までほぼ回ってこないからである。地上波やYouTubeのタイムラインに流れてくることも、残念ながらきっとない。NBLやユーロリーグは、自ら情報を取りに行かない限り、また開催国へ引っ越しするくらいのことをしない限り、好きになることは容易ではない。よって、バスケットを全く知らない初心者にはあまりオススメできない。
簡単に分類するのであれば、「バスケを知らない人」には、体験やエンタメ重視のリーグがオススメであり、「バスケが好きな人」には、よりバスケにマニアックになれる技術・戦術・選手追いかけ重視のリーグが良い。
▼バスケをほとんど知らない人・興味が薄い人にオススメ
| Bリーグ | 地元のチームの試合に行くと、試合自体よりも「会場の雰囲気・音楽・応援・フード」を楽しめる。ルールを知らなくても楽しめる。会いに行けるため「推し」を見つけたら沼にハマる可能性すらある |
| NBA | 動画やハイライトで「派手なダンク・個人技」を楽しめる。選手のキャラクターやSNSでの情報も充実。英語に抵抗がなく外国人も「イケメン」と思える方は尚オススメ |
▼バスケを少し知ってる人・興味を持ち始めているビギナーにオススメ
| Bリーグ | 国内選手の動きやチーム戦略をリアルタイムで追いやすい。地域密着なので応援しやすい。観戦に行った際、大接戦の好ゲームだと尚更ハマりやすい |
| NBA | 世界トップレベルの選手・戦術を学べる。国際試合の話題にもつながる。日本ではあまり見られないダンクや超ロングシュートなど規格外のプレーに触れられる。ハーフタイムショーなども派手で洋楽が好きな人はより好きになりやすい |
| ユーロリーグ | 戦術重視、チームプレーや国際色が楽しめる。少しマニア向け。応援はチャントではなく「歌う」形で行われるため、サッカーが好きな人は馴染みやすい傾向にある。(英語は限定的で母国語が中心のため、言語理解は難しい可能性大) |
▼バスケ大好き/かなり知識がある人には全てオススメ
全てのリーグがオススメ。NBAは世界最高、NBLとBリーグは先進的なリーグ、ユーロは国境横断で独自文化などなど、あらゆる魅力がある。マニアックに深掘りしていけば、あなただけが知っているようなコンテンツもきっと見つかるはず。
誰もが認めるイケメン!各リーグの人気選手をご紹介
最後に、この記事らしく、"推し"になりそうな選手を紹介して締めくくろうと思う。
ここのパートは筆者の独断も一部含まれているが容赦願いたい。
NBA;オクラホマシティ・サンダー/シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(GQの「最もスタイリッシュな人物50人」にも選出)
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— GQ Magazine (@GQMagazine) October 13, 2025
Bリーグ;宇都宮ブレックス/遠藤祐亮(3代目モテ男)
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NBL;アデレード36ers/オビ・カイ(ファッションデザイナーとしても活躍。自身のレーベル「Obiri」があり人気)
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ユーロリーグ;FCバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)/アンドレアス・オブスト(ドイツのadidasのアンバサダー)
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— adidas Basketball (@adidasHoops) November 22, 2024
どうして嫌いになるの?ファンが離れる理由
こちらも参考文献によると、ファンが離れてしまう理由はいくつかある。好きになってもらった人にずっと好きでいてもらうために、最後はどんな地雷があるかだけ簡単に紹介して、この記事を締めくくろうと思う。
▼スポーツ観戦を嫌いになる典型パターン
| 1. ルールが複雑で理解できない | ルールや用語が多すぎると、観ていても何が起きているのか分からずストレスになる。 例:判定結果がよくわからない、なぜ相手ボールになったかわからない、など。 |
| 2. 応援文化・雰囲気が合わない | 大声の応援、過剰なコール、アルコールで騒ぐ観客などが苦手な場合、アリーナやスタジアムの熱気に圧倒されてしまう場合も。また、周囲に否定的な人がいた・ファン層が好きではない、なども理由に。 |
| 3. 試合展開が退屈 | ワンサイドゲームやスコアが動かない試合は興味を失いやすい。最初から「勝ち確」と想定されるような試合は特に顕著。ドラマ性や盛り上がりがないと、途中で飽きることがある。 |
| 4. 選手やチームへの共感が持てない | 好きな選手や応援したいチームがいない or 作ることができないと、試合に感情移入できない。初心者は特にここでドロップアウトしてしまうため、推しを作ることに注力したい。 |
【参考】文献
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2259.html
https://mekanken.com/contents/7220/
【参考】各リーグのYouTubeチャンネル
Bリーグ:https://www.youtube.com/@BLEAGUE
NBA:https://www.youtube.com/@NBAJPN
NBL:https://www.youtube.com/@nbl
ユーロリーグ:https://www.youtube.com/@euroleague
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