富永啓生(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

「パリ五輪」男子バスケの富永啓生がパリオリンピックで輝けなかった理由と今後の課題

富永啓生(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
48年ぶりに自力でのオリンピック出場を果たしたバスケ男子日本代表だが、勝てるチャンスはありながらも3連敗で大会を後にした。

東京オリンピックも3連敗しているが、今大会はフランス代表にあわや勝利という状況まで作ることができた。

河村勇輝という新たな男子バスケのアイコンが誕生した大会であったといえるが、その河村のライバルとして認知されている富永啓生にとっては、悔しい大会となった。

ブラジル戦6分59秒出場でスリーポイント成功なしという現実

富永啓生は、ネブラスカ大学や昨年のワールドカップでも活躍し、NBAのペイサーズとエグジビット10契約を結ぶ将来性豊かな若手選手だ。

それゆえに、今回のパリオリンピックでも活躍が期待されていた。

しかし、実際に残した数字は、「8分程度の出場で2得点(スリーポイント成功なし)」というものだった。

富永の活躍を期待した日本人ファンも、「なぜ富永はプレーしないの?」と困惑したことだろう。

また、ブラジル代表との試合でも、6分59秒のプレータイムがあったが、4本放ったスリーポイントはいずれも決まらなかった。

期待していたファンは、こうしたプレーにかなりガッカリしたはずだ。

ディフェンスに難がありキャッチ&シュートが苦手な富永

パリオリンピックでの日本代表の3試合をフルで観戦した人ならば、富永を起用できなかった理由が分かるはずだ。

走り負けしない激しいプレスの継続が生命線となっていた日本にとって、ディフェンスに難がある富永は合わないわけだ。

さらに、オフェンス面でも、富永自身はキャッチ&シュートが苦手であり、八村との相性も良くなかった。

スリーポイントに関しても、決まりだすと止まらない爆発力はあるが、裏を返せば波がありリズムが悪くなるとまったく入らなくなる選手でもある。

パリオリンピックはまさに「悪いリズム」でプレーしていたため、大会を通じて1本もスリーポイントを決めることができなかったのだろう。

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