
バスケットボールには、スピーディーでダイナミックな展開を生み出すための「ショットクロック(24秒ルール)」という重要なルールがあります。
これは、攻撃側が一定時間内にシュートを放たなければならないというルールで、ゲームに緊張感とテンポをもたらす要素の一つです。
本記事では、ショットクロックの基本的な仕組みや14秒リセットとの違い、リセットが発生するタイミングなどを分かりやすく解説していきます。
バスケのショットクロック(24秒ルール)とは
バスケのショットクロック(24秒ルール)とは、攻撃側チームがボールを保持してから24秒以内にシュートを打たなければならないというルールです。
この制限時間内にリングに向かってシュートを放ち、なおかつボールがリングに当たらなければ、攻撃権は相手チームに移ります。
ルール化された背景
バスケのショットクロックがルール化された背景には、試合の停滞を防ぐ目的がありました。
1950年代以前のバスケットボールでは、リードしているチームが攻撃を意図的に遅らせて時間を稼ぐ「ボールキープ戦術」が多用され、試合のテンポが極端に遅くなっていました。
これにより観客の関心が薄れ、エンターテインメント性の低下が問題視されていたのです。
こうした状況を打開するため、1954年にNBAで24秒のショットクロックが導入され、攻撃に制限時間を設けることでスピーディーな展開と得点の増加が実現し、現在のようなダイナミックなバスケのスタイルが定着していきました。
14秒ルールと何が違う?
バスケにおける「24秒ルール」と「14秒ルール」は、攻撃の制限時間に関するルールですが、適用される状況が異なります。
基本的に、攻撃側のチームはボールを保持してから24秒以内にシュートを打たなければなりません。
一方、14秒ルールはシュートがリングに当たった後、オフェンス側がリバウンドを取って再び攻撃を開始するなど、特定の再開時に適用されます。
この場合、ショットクロックはリセットされますが、そのタイミングで制限時間が24秒から14秒に短縮されます。
バスケのショットクロックがリセットされるタイミング
(左から右に攻める場合は左側がバックコート、右側がフロントコートになるという画像)
続いて、バスケのショットクロックがリセットされる代表的なタイミングを紹介します。
オフェンス側の投げたボールがゴールリングに当たったとき
まずは、オフェンス側の投げたボールがゴールリングに当たったときです。
これは、以下の2つのシチュエーションが当てはまります。
例えば、オフェンス側のシュートが入った場合は、相手ボールで再開されるため24秒にリセットされます。
また、オフェンス側のシュートが入らず、ディフェンス側にリバウンドを取られた場合も24秒にリセットされます。
この2つに共通しているのが、オフェンス側の投げたボールがゴールリングに当たるという状況なのです。
オフェンス側のファウルでディフェンス側にボール保持権が移ったとき
相手チームがボールを奪って攻守が切り替わった場合も、ショットクロックがリセットされます。
これは、ディフェンス側だったチームがボールを奪取してオフェンスに転じた際、バックコートから新たな攻撃を始めるためです。
バックコートでオフェンス側がファウルを受けたとき
オフェンス側がバックコートでファウルを受けた場合、ショットクロックは原則リセットされます。
これは、まだ攻撃が本格的に始まっていない状況でのファウルであるため、攻撃の機会を公平に保証するための措置です。
ファウルが起きた位置や状況によっては、ショットクロックのリセットが14秒になるケースもありますが、基本的にはバックコートでのファウルでは24秒が新たに与えられます。
バスケのショットクロックがリセットされないタイミング
続いて、バスケのショットクロックがリセットされないタイミングを紹介します。
ディフェンス側がカットしたボールがコート外に出たとき
ディフェンス側がオフェンスのパスやドリブルをカットし、そのボールがコート外に出た場合、ショットクロックはリセットされません。
これは、オフェンス側が依然としてボールを保持しており、プレー続行の権利があるためです。
ディフェンスによるプレーはあくまで一時的な妨害とみなされ、オフェンスに新たな24秒が与えられる理由にはならないのです。
ショットクロックが14秒以上残っている状況でディフェンス側がフロントコートでファウルをしたとき
フロントコートでディフェンス側がファウルをした場合でも、ショットクロックが14秒以上残っている状況ではリセットはされません。
これは、オフェンスに十分な攻撃時間が既にあると判断されるためです。
仮にファウル後にボールを再び保持できたとしても、14秒より長く残っていた場合はショットクロックがそのまま継続され、オフェンスは残りの時間内に攻撃を完了させる必要があります。
ショットクロックが14秒以上残っている状況でフロントコートでヘルドボールになってオフェンス側からスタートするとき
フロントコートでヘルドボール(両チームの選手が同時にボールを保持し、どちらのボールか判定できない状態)が発生し、その後のポゼッションがオフェンス側にある場合でも、ショットクロックが14秒以上残っていればリセットされることはありません。
すでに攻撃するのに十分な時間が残っていると判断されるためです。
この場合、再開後はショットクロックの残り時間内で攻撃を完了しなければならず、攻撃側は時計を意識して素早いプレーを求められます。
バスケで14秒リセットになるタイミング
続いて、バスケで14秒リセットになるタイミングを紹介します。
シュートが外れた後にオフェンス側がリバウンドを取って攻撃が継続するとき
バスケットボールでは、オフェンスが放ったシュートがリングに当たって外れた後、自チームがリバウンドを取って再び攻撃を続ける場合、ショットクロックは14秒にリセットされます。
従来は24秒にリセットされていましたが、FIBAでは2018年からこの14秒リセットを導入し、オフェンスが得たセカンドチャンスでもスピーディーな展開が求められるようになりました。
攻守が切り替わってフロントコートからのスローインで再開するとき
攻守が切り替わってオフェンス側がフロントコートからスローインで試合を再開する場合、特定の条件下ではショットクロックが14秒にリセットされます。
例えば、ディフェンス側のファウルやバイオレーションによって攻撃権が与えられたときに、すでにショットクロックが14秒未満であれば、自動的に14秒にリセットされます。
ショットクロックが14秒未満の状況でフロントコートでオフェンス側がファウルされたとき
オフェンスがフロントコートでプレーしている際に、ショットクロックが14秒未満の状況でディフェンス側のファウルを受けた場合、ショットクロックは14秒にリセットされます。
このルールは、攻撃側が有利な位置で再びプレーを再開することになるため、ある程度の攻撃時間を確保する意図で設けられています。
なお、すでに14秒以上残っている場合はリセットされず、そのままの時間でプレーが継続されます。
まとめ:バスケのショットクロックをマスターしよう
バスケットボールのショットクロックは、攻撃に制限時間を設けることで試合のテンポを保ち、戦術の多様性や緊張感を生み出す重要なルールです。
また、24秒ルールに加え、14秒リセットの導入により、よりスピーディーな展開が求められるようになりました。
リセットの有無やタイミングを理解することで、観戦時の楽しみ方が広がり、プレーヤーにとっても戦術判断がより明確になります。
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