バスケのユーロステップとは?足の運び方,習得のコツも

華麗なステップでディフェンスを交わし、ゴールへと切り込む。

そんなプレーの代表格ともいえるのが「ユーロステップ」です。

本記事では、ユーロステップの基本や由来、習得のコツまでを詳しく解説します。

 

バスケのユーロステップとは

ユーロステップとは、バスケットボールにおけるドライブの際に使われる巧みなステップワークで、ディフェンダーを左右に揺さぶりかわすテクニックです。

具体的には、ドリブルからステップインする際に一歩目を片方に踏み込み、次のステップで逆方向へ大きく踏み出すことで、相手のタイミングを外してレイアップなどに持ち込む動きです。

この動きはもともとヨーロッパの選手たちが好んで使っていたことから、「ユーロステップ」と呼ばれるようになりました。

写真:マヌ・ジノビリ/提供:AP/アフロ

写真:マヌ・ジノビリ/提供:AP/アフロ

特に1990年代後半にNBAで活躍したアルゼンチン出身のマヌ・ジノビリが多用していたことで知られており、その影響でアメリカでも広まったとされています。

 

トラベリングとは何が違う?

ユーロステップは、ドリブルを止めたあとに片足ずつ左右にステップを踏んでディフェンスをかわすテクニックですが、ルールに則った正しいフットワークであればトラベリングにはなりません。

この基準を明確にしたのが、2017年10月のFIBAによるルール改正です。

この改正では「ゼロステップ(ゼロ歩)」が導入され、ドリブル終了時に片足がフロアに接地していても、その次に踏むステップが「1歩目」として数えられるようになりました。

これにより、選手はドリブル終了後に実質的に3歩目まで動けるようになったのです。

一方で、ステップの順番やタイミングを誤ると、意図せずトラベリングの判定を受ける場合もあるため、ユーロステップにおいては正しいステップ技術とルール理解が不可欠です。

 

ギャロップステップとの違い

ユーロステップは、ドリブルを止めたあとに左右にステップを大きくずらすことでディフェンダーを揺さぶり、タイミングを外してレイアップなどに持ち込む動きです。

ステップは左右に振ることが特徴で、相手の重心をずらして抜くために使われます。

(ギャロップステップの画像)

一方、ギャロップステップはストライドの大きい跳ねるような動きが特徴で、ドリブルを止めたあとに前方へ連続してステップを踏む形です。

左右の揺さぶりよりも、一気に距離を詰めてゴールに向かう力強い動きに使われることが多く、特にスピードや勢いを活かしたプレーに向いています。

簡単に言えば、ユーロステップは「左右にかわす」、ギャロップステップは「前方に突進する」という違いがあります。

 

バスケのユーロステップの足の運び方

(足の運び方の画像)

ユーロステップの足の運び方としては、まずドリブルを止める直前にスピードを活かして相手に向かい、ドリブルを終えたと同時に1歩目をディフェンスの片側に踏み出します。

続けて、2歩目を逆方向に大きく踏み込みながら、体の向きも一気に切り返してゴールに向かうのが基本です。

このとき、1歩目でディフェンスの意識を一方に向けさせ、2歩目で逆を突くことで相手をずらし、レイアップやフローターなどの得点につなげやすくなります。

 

バスケのユーロステップ習得のコツ3選

続いて、バスケのユーロステップ習得のコツを3つ紹介します。

一歩目のフェイントを上達させる

ユーロステップを効果的に使うためには、1歩目のフェイントが非常に重要です。

最初のステップで相手ディフェンダーを「こっちに来る」と信じ込ませることができれば、2歩目で逆方向に抜く動きがより鋭く、効果的になります。

1歩目のフェイントを上達させるには、目線・肩の向き・踏み込みの深さを意識することがポイントです。

例えば、実際に行くつもりのない方向にしっかり体重を乗せ、視線もそちらに向けると、ディフェンダーは反応しやすくなります。

フェイントが甘いとディフェンスに読まれてブロックされる危険が高まるため、「本当にその方向に行くぞ」という“演技力”が必要です。

また、練習ではスピードよりもまずフォームを重視し、ディフェンダー役に対して何度も動きを試しながら、どんなフェイントが一番効くかを感覚的に掴んでいくとよいでしょう。

 

歩幅の大きさを意識する

ユーロステップをより効果的に使うためには、「歩幅の大きさ」を意識することが重要です。

特に1歩目と2歩目のステップでしっかりと広く踏み出すことで、ディフェンスとの間に空間を生み出し、シュートやレイアップまでのコースを確保しやすくなります。

歩幅が小さいと、ディフェンスに体を寄せられてブロックされたり、ファウルをもらいにくくなったりするため、あえて「大股」で踏み込む意識を持つとよいでしょう。

ただし、歩幅を広げることで体のバランスが崩れてしまっては本末転倒なので、体幹を意識しながらコントロールできる範囲での最大歩幅を見つけることが大切です。

また、1歩目をあえて「小股」でいく場合もあります。

例えば、1歩目を小さく出すことでディフェンスに「レイアップに行く」と思わせてから、2歩目で大きく足を出せば、大きなズレを作れます。

このように、「緩急」をつけられるのもユーロステップの醍醐味なので、歩幅の大きさは特に意識することが重要です。

なお、歩幅調整の練習は、コーンやマーカーを使って歩幅を可視化したトレーニングがおすすめです。

 

ボールポジションを下げないようにする

ユーロステップを成功させるためには、「ボールポジションを下げないようにする」ことが重要です。

ステップ中にボールを下げてしまうと、ディフェンダーにスティールされやすくなります。

特にユーロステップは左右に大きく動くため、身体の動きに気を取られると自然とボールの位置が下がりがちになります。

これを防ぐためには、ボールを胸から顔の高さでキープし続ける意識が必要です。

視線を保ちながらボールをコントロールできれば、ディフェンスに読まれにくくなるだけでなく、ファウルをもらいやすくなるというメリットもあります。

練習の際は、ミニボールやメディシンボールを使って、ステップ時でもしっかりと上半身でボールを保持できるようトレーニングすると効果的です。

 

まとめ:バスケのユーロステップをマスターしよう

ユーロステップは、ディフェンスのタイミングをずらしてシュートへと持ち込む、バスケットボールにおける非常に効果的な技術です。

トラベリングとの違いや足の運び方、上達のコツを理解することで、誰でも実戦に取り入れやすくなります。

ユーロステップを習得すれば、プレーの幅は確実に広がるでしょう。