「偉大な選手を軽視している」キャブズ優勝戦士がジョーダンとレブロンを中心とするGOAT論争に疑問<DUNKSHOOT>
NBAの“史上最高”(GOAT)を巡る論争は、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)を中心に回ってきた。かつて“キング”とクリーブランド・キャバリアーズで共闘し、2016年にリーグ優勝も経験したチャニング・フライは、そのほかの偉大なレジェンドを軽視した議論は「不毛」だと持論を展開している。
2003年のドラフト1位でNBA入りしたレブロンも、今季で19年目の37歳。大ベテランの域に入ったが、現地時間3月5日のゴールデンステイト・ウォリアーズ戦で今季リーグ最多タイの56得点、その6日後のワシントン・ウィザーズ戦で50得点と、3試合で2度の50得点超えを果たす離れ業をやってのけた。
『StatMuse』によれば、3つの異なる年代で50得点をあげたのは、ジョーダン(1980、90、2000年)とレブロン(2000、10、20年)のみで、改めてその偉大さが分かる。両者がNBA史上最高の選手を争う筆頭候補であることは疑いのない事実だが、例えばキャリア13年間の優勝11回を経験したビッグマンのビル・ラッセル(元ボストン・セルティックス)が歴代ベスト5の議論にもほとんど入らない現状だけに、フライは『Road Trippin' with RJ & Channing』で、ほかのレジェンドも評価されてしかるべきだと説いた。
「私は、人々がジョーダンを認める一方で、カリーム・アブドゥル・ジャバーやウィルト・チェンバレンらそのほかの偉大な選手を軽視しているのは好きじゃない。高校、大学、プロと歩んだ最も偉大なバスケットボール選手と言えばジャバーだ。彼に匹敵する者はいない。
私の中では、ジョーダンは1A、レブロンは1Bだ。判断する者のバックグラウンド、バスケットボールの進化に大きく依存される。少なくとも、データや功績も加味されないといけない。ティム・ダンカンが歴代のトップ5プレーヤーに入らないとすれば、それはバスケを見ていないということだ。彼は最も偉大なパワーフォワードだ」
1試合100得点を達成したチェンバレン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)、歴代1位の通算3万8387得点を誇るジャバー(元レイカーズほか)らは、ジョーダンやレブロンとはプレーした時代がはるか昔に遡るため、GOAT論争で名前が挙がる機会はあまり多くない。そのなかで、レブロンはジョーダンよりも劣るとフライは見解を述べた。
また、現役屈指のスコアラーであるケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)も、自身が運営するメディアネットワーク『Boardroom』で、「MJとレブロンは、どちらも今までにいない存在。ユニークで、異なる偉大な領域に君臨している。なぜ、みんな比較しているんだ? MJとレブロンは直接対戦していない。キャリアを比較する必要はないんだ」と両者を比較する風潮に釘を刺している。
GOAT論争は、NBAを語る上でのメインテーマのひとつだが、今後ジョーダンとレブロン、あるいは過去のレジェンドたちに割って入るようなスーパースターは生まれるのだろうか。
構成●ダンクシュート編集部
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