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「レブロンともの凄く似ている」リバースHCがドンチッチと“キング”を比較「我々を翻弄していた」<DUNKSHOOT>
2月4日(日本時間5日、日付は以下同)に行なわれたフィラデルフィア・セブンティシクサーズとダラス・マーベリックスによる一戦は、アウェーのシクサーズが第2クォーター序盤に16点をリードする展開となった。
マブズはクリスタプス・ポルジンギス、マキシ・クリーバーらビッグマン勢を欠いており、ジョエル・エンビード擁するシクサーズに苦しんでいたのだが、ゾーンディフェンスを効果的に活用したことが奏功。
「今シーズン、僕らはゾーンに対して何度か苦しんできた。あのディフェンスからアタックする方法を見つけないと。この試合の後も、間違いなく僕らは(ゾーンに)直面することになるからね」
セス・カリーが試合後にそう語ったとおり、シクサーズはマブズの敷いたゾーンディフェンスにリズムを狂わされてしまい、エンビードの大暴れも実らず最終スコア98−107でマブズに逆転負けを喫した。
「今シーズンを通して、僕らはほとんどゾーンをやっていなかった。でもいざやってみると、凄くいいディフェンスができるんだ。今夜の僕らはまさにそれだった」
マブズのルカ・ドンチッチはそう語り、イースタン・カンファレンスの上位チームから手にした逆転勝利を喜んだ。もっとも、オフェンス面でマブズを牽引したのはもちろんこの男だ。
シクサーズが送り込んだマティス・サイブルやダニー・グリーンといった刺客たちをあざ笑うかのように、ペイントエリアからジャンパーやフローターをヒット。エンビードらがヘルプに来ようとドライブで突破、あるいはチームメイトを見つけて得点機会をクリエイトし、33得点、13リバウンド、15アシストで今季8度目のトリプルダブルをマークした。
敵将ドック・リバースHC(ヘッドコーチ)は、22歳の神童をレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)という現役最高級の選手と比較。
「彼は非常に大きい。彼に何度かブリッツ(ディフェンダーがボールマンに対してプレッシャーをかけつつ、突如もう1人のディフェンダーがダブルチームを仕掛けること)するのはいいんだが、彼には効かないようだ。レブロンともの凄く似ている」
リバースHCはボストン・セルティックスの指揮官を務めていた時、クリーブランド・キャバリアーズでプレーしていたレブロンと何度もプレーオフで激突しており、ロサンゼルス・クリッパーズを指揮していた時も“キング”相手に苦戦。NBA歴代10位のレギュラーシーズン通算1023勝を記録する名将は、ドンチッチをこう称えていた。
「彼は素晴らしいパサーであり、最後の1分間でボールを保持する。そこで彼は我々のブリッツを翻弄していたんだ。だから彼のような男はブリッツを好んで仕掛ける相手ではない。何度か仕掛ける分にはいいと思うけどね」
抜群のコートビジョンとハンドリングを誇るドンチッチは、ボールハンドラーとしてゲームを見渡し、チームメイトでさえも驚くような“ルカ・マジック”と評される華麗なアシストやクラッチショットを決める能力がある。相手チームの選手たちやコーチングスタッフが頭を悩ませているのは間違いないだろう。
このシクサーズ戦でレギュラーシーズン通算237試合目を終えたドンチッチは、通算44度目のトリプルダブルを達成しており、早くもNBA歴代10位へと浮上。これから先も相手をあざ笑うかのように得点やリバウンド、アシストを量産し、チームを勝利へ導いていくに違いない。
文●秋山裕之(フリーライター)
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