3度の延長の末に敗れたレイカーズの“問題点”をOBが指摘「あれが相手チームに火をつけるんだ」<DUNKSHOOT>
現地時間11月26日(日本時間27日、日付は以下同)に行なわれたサクラメント・キングスとロサンゼルス・レイカーズによる一戦は、3度のオーバータイムにもつれる大激戦となった。
試合はキングスが終盤に抜け出し、最終スコア141−137で勝利。52分42秒プレーしたディアロン・フォックスがゲームハイの34得点、8アシスト、タイリース・ハリバートンが19得点、9アシスト、5スティール、バディ・ヒールドが延長の17点を含む25得点をあげてチームを牽引した。
ルーク・ウォルトン前ヘッドコーチ(HC)の解任後、アルビン・ジェントリー暫定HCの下で仕切り直しを図ったキングスはこれで2連勝。この試合ではヒールドを筆頭に、マービン・バグレー三世、テレンス・デイビス、トリスタン・トンプソンが各13得点とベンチ陣の奮闘も光った。
「2勝できたのは良い兆候。でも僕らは依然として上っているところなんだ。走り続けたかったし、ペースを上げていきたかった。フレッシュな足ではなかったけど、僕らには若い足があったのさ」とフォックスは勝因を語っていた。
一方のレイカーズは、24日のインディアナ・ペイサーズ戦に続く延長戦勝利が目の前にありながらも、連勝を逃すことに。第4クォーター残り10分の時点で13点リード、そこから逆転を許し、残り1分5秒に2点を勝ち越したが、その後フォックスに同点のドライブを献上。そこから3度の延長を戦うも、最後は相手の若さの前に力尽きた。
51分10秒プレーしたラッセル・ウエストブルックが29得点、10リバウンド、11アシスト、レブロン・ジェームズが49分45秒で30得点、7リバウンド、11アシスト、アンソニー・デイビスが48分36秒で23得点、8リバウンド、3スティール、4ブロックとビッグ3はフル回転でチームを牽引。さらに控えのマリーク・モンクが20得点、カーメロ・アンソニーが16得点をマークしたが及ばなかった。
レブロンは「個人として、今夜の俺は実に酷いプレーだったように思う。俺は自分自身の基準をもっと高いものに設定している。チームのためにもっといいプレーをしないといけない」と反省の弁。デイビスも「ものすごくイライラしている。ロード遠征を終えた後の初戦で、勝たなきゃいけない試合だった。第4クォーターまでコントロールできていたんだ。俺たちは今よりももっといいチームにならなければ」と悔しさを露わにしていた。
延長でも再三にわたってリードを手にしながら、痛恨の黒星を喫したレイカーズ。ではこの敗戦を、チームのOBはどう捉えたのか。現役時代にレイカーズに6シーズン半在籍し、2000~02年の3連覇に貢献したロバート・オリーは、コメンテーターを務める現地メディア『SPECTRUM SPORTSNET』で現チームの問題点を指摘している。
「試合を観たら、彼らはリードするとすぐさま笑っていた。ほかのチームはああいったおどけたしぐさの全てを見ているのにね。あれが相手チームに火をつけるんだ。彼らが3ポイントを決めたり、ようやくショットを決めて大喜びしているのを見るのはもううんざりだ」
オリーはレイカーズでシャキール・オニール、コビー・ブライアントらとともに主軸を務め、プレーオフで勝てない時期から黄金期までを経験。‟ビッグショットロブ‟という異名の通り、勝負どころで何度も決勝弾を沈めてきた。そんな名脇役は、チャンピオンになるための持論を語る。
「私としては、ああやって笑っているのはプロフェッショナルではないと思う。レイカーズがチャンピオンシップチームになりたければ、強い意志を持って必死に食らいつき、笑ったりせずに相手を打ち負かさなきゃいけない」
今季のレイカーズはキングス戦のように勝ち切るチャンスを逃す試合が散見される。勝ちゲームでも、11月に入ってからは2桁点差で勝利した試合はゼロ。今季5度の延長戦では4勝1敗と勝ち越しているとはいえ、相手を圧倒しているとは言い難い。
はたして、リーグ屈指の豪華戦力を誇るスター軍団は上り調子へと転じることができるのだろうか。
文●秋山裕之(フリーライター)
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