バスケットボールに向いている子どもの性格とは?

写真:指導を行う眞間香織(ままかおり)さん/提供:ご本人

日本におけるバスケットボール人気が高まっている。

先日行われた「りそなグループ B.LEAGUE FINALS 2024-2025」では、3日間で過去最多となる3万9,553人が訪れた。

競技人口も増加し、10代のバスケットボール人口は267万人と、野球(174万人)やバレーボール(181万人)を上回るという調査結果もある。(笹川スポーツ財団「スポーツ活動に関する全国調査」種目・競技別推計実施人口より)

自身も実業団でプレーした経験を持ち、現在は中学校で指導しながら、スポーツ量販店でバスケットボール売り場に立つ眞間香織(ままかおり)さんに「バスケットに向いている子どもの性格」はあるのか、聞いてみた。

写真:眞間香織(ままかおり)さん/提供:ご本人

バスケットボールに向いている子とは

── バスケットボールは、運動能力はもちろんですが、こんな性格や考え方の子が向いているというのはありますか。

眞間: まず、本当に負けず嫌いであること。いろんなものに興味を持てること。やってみたいことを躊躇せずにやれること。カッコいいにこだわれること。

このあたりでしょうか。

── 「いろんなものに興味を持てること」はなぜでしょうか。

眞間: 例えば、私で言えば、足が速い子が走る足元を体育の時間ずっと見ていて、庭で同じ走り方をして研究していました。

自分がうまくなるために、誰かに練習を教わってからやる姿勢では、誰かから教わらないとうまくなれません。自分で練習を考え、編み出して、自分でそれを極めようという、興味を持てることは大事です。

バスケットの試合では、うまくいかないとき、予想外の状況になることもあります。自分で考える環境で練習をしておけば、指導者発信の修正ではなく、自分で考えた修正ができるので、コート上で対処できるんです。

より、バスケットを“自分でやっている実感”が持てることにも繋がるかなと思います。

写真:子どもたちに指導を行う眞間香織(ままかおり)さん/提供:本人

── なるほど。「やってみたいことを躊躇せずにやれること」は?

眞間: 指導者というのはどうしても怒りがちで、選手もミスするとすぐ指導者の顔を見たりします。私もかつて、誰のためにバスケットをしてるのかがわからなくなった時期がありました。

誰かの顔色は気にせず、このプレーをやってみたいからやったという子にはセンスを感じますね。

── きっと“気づいたらやっていた”という感じですよね。ただ、バスケットがコート内でのチームスポーツである以上、自己表現しながらも、チームメイトへの配慮や気遣いも必要じゃないですか。

眞間: 変な言い方ですけど、“本当に自己中”で“本当に負けず嫌い”だと「思わずゴール下の空いてる人間にパスをしちゃう」と思うんです。

中途半端な考えだとたぶん自分で行くんですけど、本当に勝ちたければ、思わず身体が反応するんですよ。

本当の自己中で、本当の負けず嫌いな性格が必要というのは、そういう意味です。

写真:マッサージを行う眞間さん/提供:本人

いまの子どもたちの傾向とは

── 面白いですね。現在、眞間さんが子どもたちの指導をしていて、ご自身の頃と違うなと感じる部分はありますか。

眞間: 中学生の指導をしていて、ボールは持てるのに運動ができないという子が多いんですよ。足の使い方を教えるところから始めなきゃいけないです。

レイアップはできるけど飛べないとか、ドリブルはつけるけどスピードがないとか、バスケットはできるのに横に踏ん張ることができないとか、そういう、そもそもの運動ができないというケースが多すぎる気がしています。

── 小学生の頃に基礎的な運動能力が身についていないということですね。

眞間: いま、私が教えている中学生のクラブには25人くらいいるんですが、一番最初はみんな二重跳びができなかったんです。ただの後ろ跳びも連続では難しい。

二重跳びができないのに、なぜバスケができると思うの?と。

沈んで跳ぶ、そこに手の動きが連動する二重跳びは、バスケにも通じる身体運動ですが、その当たり前のことができないのになぜドリブルの練習をしているのかなと思います。頭でっかちになりすぎてしまっている気がします。

── 現代の子どもの基礎的な運動能力の低下、身体感覚の鈍化は、私も子育てをする親として感じます。

写真:子どもたちに指導を行う眞間香織(ままかおり)さん/提供:ご本人

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