
「3x3.EXE PREMIER」は会いに行ける“推し活バスケ”だ【新人編集部員と学ぶ3x3 後編】
【魅力②】無料で生観戦できる
山田:2つ目の特徴は、1つ目の場所の話とも関係しますが、基本的には試合は無料で観戦していただけるところです。
── え、チケットを買わなくても見られるんですか?


写真:試合の様子/提供:3x3.EXE PREMIER
山田:もちろん、コートの最前列などにはチケット席があるんですが、オープンスペースで大会を開催している関係上、それ以外の席は基本的に立ち見で無料でご覧いただけます。
── では、ふらっと立ち寄って気軽に試合を見られると。
山田:おっしゃる通りです。たまたま遊びに行った場所で、「あれ、なんかバスケの試合やってる? ちょっと見てみるか」ぐらいの感覚で見に来ていただけるぐらい、観戦のハードルが低いんです。
── ですが、チケットが売れないとリーグ的には収支面で厳しかったりするのではないでしょうか?
山田:これはリーグの収益構造の話なんですが、実は我々のリーグはリーグの興行権を販売する方式を取っています。
つまり、ショッピングモールや自治体などに3x3.EXE PREMIERの開催権を購入していただいているので、チケット収入が少なくても成り立つようになっているんです。
── それはかなり珍しい形式ですね。ですが、リーグの開催権を購入することはショッピングモールや自治体にどのようなメリットがあるのでしょうか?


写真:試合会場の様子/提供:3x3.EXE PREMIER
山田:やはり、その場所の盛り上がりですね。無料で観戦できる分、たくさんのお客さんが見に来てくださるんですよ。
そうすると、ショッピングモールにとっては単純に集客につながりますし、自治体にとってはその場所に訪れるきっかけづくりの場になります。
この空間は我々は大きな財産だと思っていて、企業や自治体に「こういう空間づくりを一緒にやりませんか?」という提案を持っていっています。


写真:試合会場の様子/提供:3x3.EXE PREMIER
── お客さんは無料でバスケが見られて、リーグ、主催企業・自治体にも集客メリットがある、“三方よし”を目指してるんですね。
山田:そうですね。手前みそながら、世界最高峰のレベルのバスケを生で、しかも無料で観られるリーグはなかなかないと思います。
【魅力③】ファンサービスも充実
── 3つ目の魅力はなんでしょう。
山田:ファンサービスやイベントですね。Bリーグはもちろん、Jリーグやプロ野球でも観客動線と選手動線は完全に分かれていて、選手と触れ合える機会ってほとんどないですよね。
3x3.EXE PREMIERではコートと観客席の距離があってないようなものなので、選手が“その辺に普通にいる”ような状態なんです。なので、「サイン書いてください」「写真撮ってください」って言ったらすぐに対応してもらえるぐらい、お客さんと選手との距離が近いんです。


写真:会場の様子、確かに近い/提供:3x3.EXE PREMIER
── 距離が近いって、お客さんにとってはとても嬉しいですよね。
山田:そうですね。我々としては「会いに行けるアイドル」をイメージしています。いわゆる「推し活」ですね。
なので、写真を撮るためのフォトスポットを会場に設置していたり、会場のMCにも「あそこに誰々選手いるから写真撮ってください!」って言ってもらったりしています。


写真:会場の様子/提供:3x3.EXE PREMIER
── 「会いに行けるアイドル」はすごくイメージが湧きます。お客さんの割合はやはり女性が多いんですか?
山田:30、40代ぐらいの男性も多いんですが、6:4ぐらいで女性の方が多い印象です。
ファンサービスの充実も含めて、3x3.EXE PREMIERは女性でも気軽に来て楽しんでいただけると思います。
3x3.EXE PREMIERは“地元のお祭り”
── 大会中には試合以外にもさまざまなイベントを開催してると聞きました。
山田:はい。森永製菓さんがリーグスポンサーについていただいているので、シュートを打ってゴールした本数だけ「inゼリー」をプレゼントするゲームを実施したり、リーグ限定のグッズや特典のボールを観客席に投げ込んだりなど、ハーフタイム中も楽しんでもらえるイベントをたくさん開催しています。
── 子どもたちも盛り上がりそうですね。
山田:キッチンカーもありますし、お子様が遊べるようなキッズスペースも設置しています。
ショッピングモールでバスケの試合だけを開催していても、バスケに興味がない人は「すごい! 見よう!」とはなりにくいんですよね。
まずはキッチンカーやイベントを見ていただき「あ、なんか面白そうなことやってる」と興味を持ってもらって、そこから実際の試合も少しでもいいから見てもらう、という入り方を想定しています。
さっきの漁港開催の話で言えば、マグロ料理を出すキッチンカーに来てもらいましたね。
── マグロ料理のキッチンカー!(笑)。3x3.EXE PREMIERは地域のお祭りに近い雰囲気がありますね。
山田:まさに。日本全国で小さなお祭りを定期的に開催しているような感じです。
そういう意味では“サーカス団”という表現も近いのかもしれません。
今週は北海道、来週は広島と、本当に日本全国で試合を開催しているんですが、今後ももっといろいろな地域で開催して、この“お祭り感”をもっと広めていきたいですね。
── お忙しいところ、ありがとうございました。僕も推しメン探しに観に行きます!
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取材・文:和田遥樹
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