「長崎ヴェルカのフロント・渡辺怜に聞く<前編>】アシスタントGMってどんな仕事?

離島の子どもたちに様々な体験機会を

── 社長兼GMの伊藤さんに学びつつ、具体的に、渡辺さん自身が手掛けている活動はあるんですか。

渡辺:自分が伊藤に提案して始めた“VELCARES(ヴェルケアーズ)”という地域貢献活動です。

── どんな活動なんでしょう。

渡辺:去年から始めた取り組みでは”B-RAVE ONE”というプロジェクトでは、離島の中学生を長崎市に招待し、長崎ヴェルカが試合をする会場(ハピネスアリーナ)で試合をしてもらうという企画を実施しました。

本土に比べて離島の子どもたちは、エンターテイメントも職業のロールモデルも少ないなど、経験の数が少ないという課題を島の先生や企業の方に聞き、地元のプロチームとして何か役に立てないかと思いました。

試合をしてもらうことと、長崎ヴェルカのホームゲームを観てもらうこと以外にも、去年はスタジアムシティの建設中だったので建設現場を見てもらったり、選手たちや社長兼GMの伊藤拓摩と交流してもらったり、子どもたちの試合では、アリーナDJとして音楽を流す仕事をお願いしてみたりもしました。

離島の子どもたちに多くのことを体験してもらうことも、テーマにしていたので。

── どのくらいの頻度で実施されているんですか。

渡辺:来てもらうのはシーズン中に1回なんですが、事前にクリニックに行ったり、通年で島の何らかの繋がりを持てるようにはしています。

── 地域の課題に沿った、とても意義のある活動ですよね。その活動を追ったYouTube動画も質が高くて驚きました。

渡辺:そうですね。これまで2回実施したんですが、今後も持続可能なプロジェクトにしていくためにも、1回目の様子を質の高い動画にして公開することで、みなさんがイメージできるようにしておきたかったんです。

── アシスタントGMですが、しっかり事業も担当してますね。

渡辺: 自分は事業側、ビジネス側に興味があるので、現場を知っているという強みを活かしながらも事業に携われるのはありがたく、自分のキャリアにとっても大きなプラスになりうるかなとは思います。

── GMは勝つため、事業サイドは経営のためだと考えると、“アシスタントGM”の渡辺さんの多様な仕事は、どこで評価されるんでしょうか。

渡辺: 難しい質問ですね(笑)。手探りではありますが、上司である社長兼GMの伊藤と日々会話の中で、私からいろんな提案をしていますが、“そういうことをやってほしいわけじゃない”と言われたことはないので、方向性は合ってるんだと思っています(笑)。

個人的には、チームの勝利によって自分が評価されるというよりは、事業側でどれだけ貢献できるかを期待されている割合が大きいなと思っています。

写真:ホームゲーム前のリハーサルに立ち会う渡辺怜さん/提供:長崎ヴェルカ

▶【中編】なぜ、27歳でプロチーム“アシスタントGM”になれたのか に続く

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