
アメリカ代表が有利である「WBCの球」問題、侍ジャパンの選手たちは大会までに慣れることができるのか
写真:山本由伸 (AP/アフロ)
いよいよ3日後に迫った2023WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)だが、度々話題に挙がっているのが「使用される球」の問題だ。
WBC公式球は、国際球ではなく、実はメジャーリーグの球を使用する。
これは、WBCがメジャーリーグ主催の大会だからだ。
それゆえに、球の質に慣れているアメリカ代表が間違いなく有利であると言える。
侍ジャパンの選手たちは、はたして大会が始まるまでにWBCの球に慣れることができるのだろうか。
NPB(日本野球機構)とのボールの違い
WBCで使用される球は、メジャーリーグで使用される球となるわけだが、NPB公式球とはどういった点が違うのだろうか。
まずは「サイズ」と「重さ」が違う。
NPBが約22.9㎝、重さ約141.7gであるのに対して、WBCでは、サイズが約23.5㎝、重さが約148.8gとなっている。
WBCで使用される球の方が、大きくて重いため、腕や肘への負担は大きく、変化球も曲がりにくいのだ。
さらに、「縫い目」や「質感」にも違いがある。
NPBの球は縫い目が低いが、WBCの球は縫い目が高い。
質感は、NPBの球がしっとりしているのに対して、WBCの球はツルツルしているのだ。
非常に滑りやすいゆえに、すっぽ抜ける可能性も高まる。
野手も守備時には影響を受けるが、やはり一番心配されるのは投手陣だろう。
試行錯誤を続ける侍ジャパンの選手たち、大会までに間に合うか
WBC優勝に向けて、体のコンディションを高めるのも重要だが、前述した違いがあるゆえに「球に慣れること」も非常に重要となる。
大谷翔平やダルビッシュ有、ヌートバーは普段から使用している球ゆえに問題ないが、その他の選手たちは早急にこの球に慣れる必要がある。
実は各球団のキャンプ中に、WBCの使用球を渡している。
それゆえに、ある程度は慣れる時間はあったわけだ。
しかし、ほんの少しの感覚の違いでパフォーマンスが変わる繊細な問題ゆえに、少しでも違和感を失くしておきたいところだろう。
大谷翔平とダルビッシュ有は、積極的に投手陣に球の握り方のコツを伝授してほしいものだ。
WBC初戦の中国戦まで、強化試合はあと2試合。
各選手の調整が成功することを期待しよう。
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