開幕投手は譲れない!中日・大野雄大、実戦想定の134球「ゲームで完投する球数を」
中日の大野雄大投手が、第3クール初日の10日にブルペン入り。変化球を交えながら、今キャンプ自身最多の134球を投げた。
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第2クールでは、昨年投手二冠の柳裕也が224球、自己最多8勝を上げた小笠原が264球と、多くの球数を投げる中、3度の開幕投手経験を誇る大野雄は、より実戦を意識した投球を心がけた。60球あたりから打者を立たせると、捕手にサインを出してもらいながら、1球1球を丁寧に投げていった。
「まずは、ゲームで完投する球数をと思って投げました。その中で途中からバッターに立ってもらって、キャッチャーにもサインを出してもらいました。最後の方は9回(のマウンド)を想定して。本当にいい感じで投げられたと思います」
今年の開幕はビジターの巨人戦。しかし想定していたのは東京ドームのマウンドではなかった。
「今日は9回表、ホームの想定で投げました。開幕に向けては、もちろんやりたいと言っていますが、それは別にして、シーズンではバンテリンドームで多く投げると思うので、そう言う意味で今日は9回表を想定していました」
確かに昨年22登板中、バンテリンドームでの登板は12と半数以上。より現実的な想定登板だったといえよう。
この日は最初、高卒4年目捕手・石橋康太が受けていたが、80球を過ぎたあたりで、正捕手・木下拓哉に交代。100球を超え、汗を拭う回数も多くなる中、その木下のサインに首を振る場面もあった。
「自分の投げたい球というのが、場面によってはあるので、練習からその意思を通すことも大事だと思いますし、普段から(捕手の)木下も、よく聞きにきてくれたりするんですけど、その中で、意思疎通といいますか、納得のいくボールを投げるということも大事かなと思います」
この状況なら、自分はこのボールを投げる。普段からそうした意思を明確にしておくことで、実際の試合に生きてくる。バッテリーの阿吽の呼吸は、キャンプからの積み重ねが物を言うといったところだろうか。
そんな頼れる女房役・木下も「ストレートのキレを感じましたし、とても良かった。全球種を投げていて、バッターを想定しながら、受けることもできました。仕上がりがとても早い印象です」と、左腕の仕上がり具合に、手応えを感じていた。
今後の実戦登板は、まだ決まっていないと言うが「そろそろ」と、左のエースは準備万端。強力な投手力を誇る中日だが、立浪新監督が一体誰を指名するのか。開幕投手争いがこの先、楽しみだ。
取材・文●岩国誠
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