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日本ハム・新庄剛志監督の“BIGBOSS流”紅白戦は常に一死満塁!緊張感続きも若手が躍動

紅白戦では試合中に気になったポイントをすぐに伝えていた。写真:産経新聞社
“BIGBOSS”こそ新庄剛志新監督の元、連日話題を振りまいている日本ハム名護キャンプ。第2クール2日目となった2月6日、紅白戦が行なわれたのだが、独特のルールが採用された。

通常の紅白戦とは異なり、一死満塁でスタート。投手は打者3人と対戦するが、例え併殺を取ってもランナーは減らさず、常に一死満塁とピンチを背負い続ける。一方、打者から見たら、犠牲フライでも1点がとれる大チャンス。投手野手、そして走者や守備でも様々なことを想定しなければならず、面白い試みだった。

主に若い選手たちが起用された、”BOGBOSS式”紅白戦。まず打撃でアピールして見せたのが、ドラフト3位ルーキー・水野達稀。初球のストレートを捉えると打球は風にも乗って、左超え二塁打で”プロ初安打”を放った。

投手では3年目右腕・望月大希。187センチの上背から繰り出される力強いボールで、対戦した6人をパーフェクト。しかも、満塁では一番求められる奪三振を3つも奪う好投で、マウンド度胸を大いにアピールした。

そして守備では、打撃でアピールした水野と、ドラフト4位の高卒ルーキー・細川凌平の二遊間コンビが連続ダブルプレーを決めて見せるなど、若い力が大いにアピール。詰めかけた多くのファンの温かい拍手を浴びていた。

この紅白戦、新庄流を見せたのはルールだけではない。試合中に気になったポイントは、すぐさまマイクで、各選手に伝えていた。

「レフト!かまえちゃいかんよ!」
「セカンドランナー、もう一歩(リードを)大きく取って!」
「ライトとセンター、空き過ぎ!レフトとセンターに距離を合わせて!」
「セカンドランナー、出過ぎ!牽制、危ないよ!」
「みんな、走り方を思い出してよ!ちょっとカタイよ!」
その内容は全て、外野の守備位置と走塁についてのもの。外野守備に至っては、試合中外野フェンスまで行き、外野手視点でプレーを観察。直接指示を伝える場面もあった。守備と走塁、新庄監督がこの部分にこだわり、重要視していることを強く感じさせられた。

さらに、前日のシートノック同様、センターの万波がサード、サードの野村がレフト、レフトの王柏融がファーストに回るなど、半数ほどの選手が途中で守備位置をシャッフル。選手たちの新たな可能性も、引き続き模索している形だ。

そしてもちろん、今季のキャッチフレーズで宝物と称するファンの存在も忘れてはいない。

グラウンドを移動中、スタンドに手を振るのはもちろんのこと、キャンプ中継の放送ブースへ2日連続で飛び入り参加し、現地に見に来られないファンへのサービスも忘れない。そして極めつきは、予定していたイベントが行えなくなった代わりに、子供たち限定ながら、チームキャップ100個を緊急配布。受け取った子供たちの笑顔がとても印象的だった。

全ての人を巻き込んで、グラウンド内外で起こし続ける”BIGBOSS”新庄劇場。この先、どんな驚きを我々に見せてくれるのか。

文●岩国誠

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