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中日に試練…コロナで一軍首脳陣全員が隔離。自主性問われる選手たちに、片岡2軍監督は「やるべきことをやってくれ」

急遽、一軍を預かった片岡2軍監督は、「非常に意識を高く持って取り組んでくれている」と選手たちを評した。写真:岩国誠
 沖縄・北谷町で一軍キャンプを行なっている中日は、立浪和義新監督と西山秀二バッテリーコーチの新型コロナウイルス陽性判定を受け、一軍全コーチの自主隔離を決定。第2クールが始まる5日から、一軍全コーチ不在という異例の状況となった。

「こういう状況だが、やるべきことをやってくれ」

 コロナの隔離期間が終了し、チームに合流したばかりで、いきなり一軍を預かることとなった片岡篤史2軍監督の挨拶で、練習が始まった。

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 4日ぶりのメインスタジアムでの練習。ウォーミングアップを終えると、第1クールにはなかった全選手が参加したベースランニングで、基本的な走塁の動きを確認。キャッチボールを終えると、投手はピッチング、野手は内外野ノックへとメニューは進む。片岡二軍監督自らもバットを握り40分間、ノックを打った。

「自分も合流が遅れて、今日が初めてなんですが、選手たちはしっかり動いてくれていると思いますし、非常に意識を高く持って取り組んでくれていると思います」

 片岡2軍監督がいうように、各選手の意識の高さは、特に打撃練習でよく現れていた。今年、外野のレギュラー獲りを期待されている根尾は、第1クール3日目に「ちょっとまだタイミングが合わないので、そこかは初めていいヒントを掴んでくれたら」と、立浪監督から進められたノーステップ打法を継続して取り組み、右の大砲・石川昂は、軸足一本でしっかり立ってから、ボールを打ちにいくティー打撃を繰り返すなど、第1クールから取り組んでいることをしっかり意識し、なんとかものにしようという姿勢が窺い知れた。
  さらに、技術が進んだ今だからできたサポートもあった。実際の打撃練習の映像を隔離中の中村紀コーチが視聴。打ち終わった直後、すぐにゲージ横のiPadを通じて、テレビ電話で”リモート”打撃指導。コーチの人数が限られる中、選手だけでなく、コーチたちもこの状況でも最善を尽くし、この状況を乗り切ろうとしている。

「できないではなく、ある中でやりくりしていくことが大事。(一軍のコーチは)第1クールで見ていますから、選手たちの動きはある程度把握しているし、(隔離されていても)今は選手たちを全く見られないということはない。各担当コーチ同士でしっかり連携をとってくれていますし、リモートみたいな形で、(一軍)コーチの意見も聞けますので、そのへんはスムーズにできていると思います」

 チームの発表によると、一軍コーチ陣の現場復帰は、何もなければ最短で第3クール初日の10日。立浪監督と西山コーチは最短で、紅白戦が予定されている11日の復帰となる見込みとなっている。

 その立浪監督は、キャンプ初日にこんな発言をしていた。

「1日1日、自分がいいと思うまで、目一杯練習をして。そのかわり自分がいいと思ったら帰っていい」

 自主性の尊重。ある意味、選手たちを大人扱いしているということだが、裏を返せば、やらない選手は、自分にかえってくるということでもある。一軍コーチ不在という、これまでとは異質な環境で、選手たちは自らをどう磨いていくのか。一軍首脳陣が戻るまでの期間は、技術だけでなく多くの選手たちの心構えも試される時間となりそうだ。

取材・文●岩国誠

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