ヤンキース傘下で史上初の女性監督が誕生!関係者らは続々と反応、CCサバシアも「障害を破り続けて!」とエール
アメリカ球界は近年、フロントオフィスやコーチに積極的に女性を登用している。現地時間1月9日、その潮流に新たな1ページが加わった。ヤンキース傘下1Aタンパ・ターポンズに、マイナーリーグ史上初の女性監督が誕生したのだ。
タンパの監督に就任したのは、34歳のレイチェル・バルコベック氏。この抜擢は、豊富なマイナーでのコーチキャリアを評価されてのことだ。2012年にカーディナルス傘下のマイナーチームに採用されたのを皮切りに、アストロズやオランダの代表チームでもコーチを歴任。19年からはヤンキース史上初の女性コーチとして、傘下のルーキーリーグチームで打撃コーチを担当している。昨年は球宴フューチャーズ・ゲームで、やはり女性では初めてコーチを務めるなど、球界のジェンダーの壁を次々と打ち破っているのだ。
近年のMLBの指導者には必須の技能とされる、最先端の理論とデータ分析にも通じている。運動生理学の学位とスポーツマネジメントの修士号を持ち、トレバー・バウアー(ドジャース)を球界屈指の投手に進化させたことでも知られるトレーニング施設『ドライブライン・ベースボール』でも働いた経験がある。特にスウィングメカニクスについては「私の得意分野であり、とても自信がある」と豪語するほど。まさに史上初の女性監督にはうってつけの人物だ。
この歴史的な出来事には多くの関係者や見識者が反応を示した。アトランタ・ブレーブスの投手スペンサー・ストライダーは、「例外なく祝福され支持されるべきことにもかかわらず、性差別をした怒りの反応を見ると非常にイライラする」とTwitterで呟き、こうメッセージを贈った。
「これは、スポーツ界と国にとって素晴らしい発展だ。私たちはレイチェルの就任を誇りに思い、彼女の成功を応援するべきだ」
人気アナリストのジャレッド・カラビス氏は「非常にクールだ」と称えた。一方で女性登用に反対する意見があったことを踏まえた同氏は、「MLBでプレーした経験は必要ですか?そんなことはない。MLBでプレー経験がなくても野球の精神を輝かせることは可能ですよね?はい」と自問自答を繰り返した。
元ヤンキースで活躍したCCサバシアは「障害を破り続けてレイチェル!敬礼!」とエールを送り、元ソフトボール選手で現在は米専門局『FOX Sports』の女性記者であるジル・ジェルニック氏は「これは大きなことだ!女性がスポーツ界で大きな進歩を遂げている。認められ、そして祝われるべきこと」と祝福した。
野球界はまさに変革の時を迎えているようだ。バルコベック氏の躍進劇に引き続き注目だ。
構成●THE DIGEST編集部
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