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鷹新助っ人候補ガルビスはどんな選手? パンチ力が魅力の両打ち遊撃手で、MLB屈指の名左腕キラー<SLUGGER>

ガルビスはメジャー通算1102試合と実績は十分。17~18年は2年連続で全試合出場を果たしている。(C)Getty Images
日本球界では、昔から「助っ人外国人選手=長距離砲」が定番となっているが、最近はそんな印象を覆す選手が出てきている。

2020年はアルシデス・エスコバー(ヤクルト)、そして今季はアデイニー・エチェバリア(ロッテ)と、MLBでも正遊撃手を務めた実績のある選手が来日した。今回、ソフトバンク入りが報道されているフレディ・ガルビスもそんな選手の一人だ。

11月に32歳になったばかりのベネズエラ出身のガルビスは、2012年にフィリーズでメジャーデビュー。15年にショートのレギュラーを獲得してからは、複数のチームを渡り歩きながらずっと主力級としてプレーしてきたスイッチヒッターだ。
【動画】「マウンドを通るな!」元巨人のマイコラスとガルビスの一触即発シーン!

オリオールズとフィリーズでプレーした今季は104試合で打率.242、14本塁打、OPS.709を記録。夏場のフィリーズ移籍後は三塁や一塁もこなすなどユーティリティー性も発揮し、ジョー・ジラルディ監督から「自分が何をできるか、常に考えている」と高く評価されていた。 身長178センチと小柄だがパンチ力があり、16年と19年にはシーズン20本塁打をクリア。このあたりは、メジャーでは「専守防衛型」だったエスコバー、エチェバリアとの大きな違いと言っていい。

エスコバー、エチェバリア、ガルビスのメジャー通算成績を比較すると以下のようになる。

▼エスコバー
5702打数 打率.258 出塁率.293 長打率.343 OPS.636
四球率4.1% 三振率13.6% ISO.086

▼エチェバリア
3921打数 打率.253 出塁率.291 長打率.351 OPS.641
四球率5.0% 三振率16.7% ISO.097

▼ガルビス
3921打数 打率.246 出塁率.292 長打率.387 OPS.680
四球率6.7% 三振率20.1% ISO.141

打者の長打力を示す指標ISO(長打率−打率で算出)を見ると、.100にも満たないエスコバーとエチェバリアに対し、ガルビスは.141をマークしている(MLB平均は.180)。2人と似ているのは四球をあまり選ばない点。打率も決して高くないことから、6~7番あたりに置くのが理想かもしれない。
ちなみにガルビスは、最多勝とサイ・ヤング賞を各3回受賞している「あの」クレイトン・カーショウに滅法強く、通算16打数ですべて単打ながら8安打、打率.500を残している。

一方、遊撃守備はどうか。以前は少なくとも平均レベルは維持していて、18年には遊撃手リーグベストの守備率を記録してゴールドグラブのファイナリストに残ったこともある。ただ、その後は加齢とともに徐々に守備範囲が狭まっている。ここ数年のスタットキャストのデータによると、向かって左側(三塁側)の打球への守備範囲が平均を下回っていることが見て取れる。
このあたり、エチェバリアが今季再三見せていたようなスーパープレーを期待するのは難しいかもしれない。ただ、二塁では通算144試合でわずか4失策と安定。先ほども言及したように、今季は三塁や一塁でもプレーしており、過去には外野を守った経験もある。使い勝手はかなり良さそうだ。

今季のソフトバンクの二遊間は今宮健太、三森大貴、牧原大成、周東佑京らが主に務めたが、攻撃力という点ではかなり物足りなかった。その意味で、ギャルビスの獲得は理に適っている。基本は二塁で、今宮が故障などで離脱した場合は遊撃という起用法もできる。退団濃厚なデスパイネと比べ、打撃面で勝るのは難しいかもしれないが、チーム全体の戦力状況にはフィットしているのではないだろうか。

構成●SLUGGER編集部

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