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米ツアーの日本勢で唯一北アイルランド戦に出場 西村優菜が“過酷な7連戦”に挑むワケ

2コースでの開催となる今大会。西村優菜はコースを細かに確認する(撮影:ALBA)

<ISPS HANDA・ワールド招待 事前情報◇15日◇ガルゴルム・キャッスルGC、キャッスルロックGC(北アイルランド)◇6486ヤード・パー72、6231ヤード・パー73>

西村優菜が、今週17日開幕の大会に米国女子ツアーを主戦場にする日本勢として唯一出場。ここから“アジアへの道”を切り開いていく。

今週は、米国女子ツアーだけでなくDPワールドツアー(欧州男子)、欧州女子ツアーも名を連ねる3団体主管の大会。男子と女子が同じコースでプレーするため、それだけでも普段とは異なる雰囲気を醸し出している。さらにコースは2つ使用。そのため調整方法も普段通りとはいかない。

15日(火)の練習ラウンドでは、予選と決勝が行われるメインのガルゴルム・キャッスルGCを18ホールプレー。「グリーンもフェアウェイもやわらかくて、その分、(ランも出づらいため)距離が長く感じる。全体的にはチャンスホールが多い」と、その印象を話す。「メリハリがあって長いところは長いけど、短いところは(セカンドが)ウェッジでもいける。そこはおもしろいですね。今はグリーンがやわらかいので、アグレッシブに攻められるホールも多い」と、果敢にバーディを狙う場所になりそうだ。

一方、16日(水)には予選のみ使用されるキャッスルロックGCを回る予定。西村が初日にプレーする場所だが、ガルゴルム・キャッスルGCが林間コースなのに対し、こちらは木が少なく一面を見渡せるようなリンクス風の造りになっている。印象がまったく違うコースのため、やはり「準備はすごく難しい」と話す。「メモに書き込んで、少ない時間でたくさん情報集めてスタートしたい」と、一日ずつの練習ラウンドで特徴を頭に叩きこむ必要がある。

これが7月の「エビアン選手権」から始まった欧州連戦を締めくくる4試合目。そのうち2試合がメジャー大会とタフな試合が続いたため、14日(月)はひさしぶりにクラブを握らずに完全オフに充てた。さらに来週はカナダでの試合に出場し、その後の米本土2連戦に臨む大陸を股にかける7連戦の途中だ。「しんどいとは思うけど、練習ラウンドでいい準備をしながら、体とも相談しながらやりたい」という考えのもと、強行軍を突き進んでいく。

「ここからの4試合が勝負」。このスケジュールに挑むのにはワケがある。10月から11月にかけて米国女子ツアーは中国、韓国、日本でのアジアシリーズに突入。例えば、日本開催の「TOTOジャパンクラシック」(茨城県・太平洋クラブ美野里C)は、「クローガー・クイーンシティ選手権」終了時のポイントランキング上位43名しか出場できない狭き門。現在76位の西村は、この出場者が絞られる大会に出場するため、とにかくポイントを稼ぐ必要がある。そしてクローガー・クイーンシティ選手権こそ、7連戦の最後を締める試合になっている。

先週の「AIG女子オープン」(全英女子)終了後に行われた第2回リシャッフルでは、シード選手と同等に試合出場ができる現在のカテゴリーを維持するポイントランキング80位以内を死守した。そして、ここからは上位ランカー入りを目指していく。「先週のリシャッフルを、とりあえずクリアできたことでホッとしている部分と、アジアシリーズに出たいので、そこまでは気が抜けない緊張感があって、複雑な心境ですね」。まさに息つく間もないシーズンを送っている。

「違うコースを使うので神経は使うと思う。集中して回り切りたいですね。徐々によくなっている部分もあるので自信をもって」。直近の2試合はスイング時のテンポを意識し、20位、21位とまずまずの成績を残している。米ツアーメンバーの一員として帰国するための大事な4週間が始まる。(文・間宮輝憲)

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