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初優勝の立役者はパッティング 19歳・櫻井心那、日課パタ練は“ユーチューバー”の影響だった

ツアー初優勝を果たした櫻井心那。好調パットの陰にはあの“ユーチューバー”。(撮影:佐々木啓)

<資生堂 レディスオープン 最終日◇2日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6605ヤード・パー72>

ドライバーの平均飛距離260ヤードを誇る飛ばし屋。その勝利に貢献したのはパッティングだった。昨年、下部のステップ・アップ・ツアーで史上初の年間5勝を挙げて、今季からレギュラーツアーを主戦場とする19歳の櫻井心那が、桑木志帆とのプレーオフを制してツアー初優勝。同組の選手を20~30ヤードはアウトドライブする飛距離ばかりが目立ったが、本人が“MVP”に挙げたのは「パターかな」。パッティング上達のヒントは、『YouTube』にあったという。

4日間の平均飛距離は252.875ヤードで出場選手中2位。今季ここまでのドライビングディスタンスでは254.3ヤードで5位につける。6歳からゴルフを始めて「飛距離で困ったことはない」と話し、「他の人より短い番手で打てる」ことが強みである。

今大会でもドライバーショットは勝利に貢献したクラブともいえるが、櫻井の中ではパッティングが一番大きかったという。プレーオフ2ホール目のウィニングパットとなった3メートル弱のバーディパットや、プレーオフの切符をつかんだ72ホール目の約1メートルのバーディパットをきっちり沈めた。「3日目はパターで獲ったバーディパットが多かった」。3日目は3~5メートルほどの距離を3発、約10メートルのロングパットも1発決めた。

櫻井はパッティング上達のためにラウンドの前後2回、日課にしている練習がある。『パッティングレール』という1メートルほどの長さの細いレールを使う。ボールがきれいな順回転ならレール上を真っすぐ転がるが、「回転が悪かったり、インパクトでフェースが開いたりするとレールの上を転がらない」。自身のストロークを確認することができる。

これを始めたのは昨年の8月から。「YouTubeで堀川未来夢さんが、絶対に使ったほうがいいと熱弁していたのを見ました」。チャンネル登録数30万人を誇る男子プロ・堀川の言葉に影響を受けてレール練習を取り入れた。「試しにやってみたら、そこから(ステップで)4勝ですよ」とその効果に胸を張る。ちなみに、ヘッドはレールに沿って真っすぐ動かすのではなく、直線よりも緩やかなインtoインの軌道になるという。

2003年度生まれのいわゆる「ダイヤモンド世代」では、川崎春花、尾関彩美悠、神谷そらに次いで4人目の優勝者。他を圧倒する飛距離に加えて、パッティングも巧みだが「自分は全然下手です。ウッド系や100ヤード以内の精度、グリーン周りのアプローチと課題はたくさんです」と、伸びしろだらけだ。将来は米女子ツアーで活躍することを目指しているが、パッティングのようにコツコツと積み重ねる力で道を切り開く。(文・小高拓)

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