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プロアマ形式の楽しみ方はそれぞれ 蝉川泰果の飛距離に挑んだ小保方徹さん「一日振ろうと思っていた」

蝉川泰果(左)と小保方徹さん(撮影:上山敬太)

<ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント 2日目◇19日◇取手国際ゴルフ倶楽部(茨城県)◇東コース(6804ヤード・パー70)、西コース(6544ヤード・パー70)>
 
プロ2人とアマチュア2人が同じ組で回るフォーマットの今大会。2日目は小保方徹さんと大和毅一さんのダブルスペアが、蝉川泰果、鈴木晃祐と一緒に回る権利を得た。「当たったら270、280ヤード飛ぶ」という飛ばし屋の小保方さんは、平均302.5ヤードで現在ドライビングディスタンス3位につける蝉川に真っ向勝負を挑んだ。

「私はスコアにならないのを承知で一日振ろうと思っていた。自分が一生懸命振ってどのくらいかなわないのか知りたかった」と小保方さん。スタートの1番ホール、蝉川のドライバーショットは左のラフへ。ギャラリーが注目し、テレビのカメラが向けられる緊張のなか、小保方さんはきれいにフィニッシュを決めて、見事フェアウェイに運んだ。300ヤード以上のナイスショットだった。
 
「朝イチがちゃんと当たったのでよかったです。プロのティと私のティの差を考えても、1番ホールは私のほうが飛んでいました」と振り返る。プロのティは481ヤード、アマチュアのレギュラーティは452ヤードに設定されていたが、1番ホールは小保方さんに軍配が上がった。その後は、後ろから打つ蝉川や鈴木に何度もアウトドライブされたが、「プロのすごさも改めてわかって、すごく楽しかったです」と笑顔で話す。
 
そして、「リップサービスももちろんあると思うんですけど、蝉川プロに飛びますねって言っていただいたのがうれしくて、また出ようと思います」という。2021年から3年連続で出場となった小保方さんは、再び予選会に出場して4度目の本戦を目指す予定だ。

一方、小保方さんとペアを組んだ大和さんは、昨年に続き2度目の出場。前回は別のパートナーだった。「私がメンバーになっているコースでは、みんな予選に出ていますし、注目されているので去年よりも緊張しましたね」と言いながらも、1番ホールでティイングエリアからセカンド地点に歩いて行く際に積極的に蝉川に話しかけ、テレビカメラの前で“コマネチ”を決めた。どうやらゴルフ仲間たちとコミットしていたらしい。
 
そんな大和さんの苦手はアプローチ。ロープの中の特等席から蝉川や鈴木のアプローチをじっくり見ていた。「自分の欠点と思ってやれることをやっていこうと、あえて質問はしなかったんですけど、あれだけゆっくり大きく振るのはね」とトッププロの技に感心する。大和さんも含めてアマチュアゴルファーは、アプローチを打つリズムが早くなったり、ゆるんだりしがち。なかなかプロのようにゆっくり大きく同じスピードで振るのは難しい。
 
しかも、後半の15、17番ホールでは、「2回のチップインはすごかった」と蝉川の2度のチップインバーディを間近で目撃。プロと一緒に回って、喜びを分かち合えるのも、この大会ならではだろう。「こんなに楽しいことはないですし、競技をしている人は、みんな目標にしています」。大和さんも終わった直後から来年の出場を考えている。
 
鈴木は残念ながら予選落ちに終わったが、蝉川は2日目を終えてトップと1打差のトータル12アンダー・2位タイにつける。優勝争いのなかでも、積極的にアマチュアとコミュニケーションを取っているのが印象的だった。鈴木もまた、予選カットラインを気にしながらも、アマチュアとの会話を楽しんでいた。「頑張ってほしいですね」(小保方さん)。アマチュアの2人にとって、蝉川と鈴木が“推しプロ”になったのは間違いない。(文・下村耕平)

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