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ABEMA賞金王の陰に2人の兄貴分 大堀裕次郎が思い描く「3人での優勝争い」

大堀裕次郎は気合十分! “兄貴たち”への恩返しVを狙う。(撮影:山代厚男)

<ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント 2日目◇19日◇取手国際ゴルフ倶楽部(茨城県)◇東コース(6804ヤード・パー70)、西コース(6544ヤード・パー70)>

昨シーズンの下部ツアー(ABEMAツアー)賞金王、大堀裕次郎は西コースを回った2日目に、前半5バーディを奪う猛チャージでリーダーボードを駆け上がっていった。一時はトータル10アンダーでトップタイに立ったが、上がりの8、9番を連続ボギー。それでもトータル8アンダー・9位タイと好位置で決勝ラウンドに進んだ。

インからスタートして、いきなりの3連続バーディには「10番で下りの7メートルくらいのバーディパットがギリギリ届いて入った。いいスタートが切れたので、そこから3連続はご褒美みたいな感じでした」と話す。今大会の予選ラウンドでは西コースと東コースを1度ずつ回り、決勝ラウンド2日間は東コースを回る。東はベントグリーンだが、西はコーライグリーンで傾斜に加えて芝目でボールの切れ方が変わる。スタートホールで下りのタッチが合ったことで波に乗った。

最後は2連続ボギーで後味の悪い形となったが、「9番は左のラフから右のバンカーの目玉で普通にボギー。無理してホームランしたらOBまで見えたので、あまり無理せず、ボギーでいいやくらいの感じ」と、受け入れている。トップスタートの大堀がホールアウトした直後に強い雨が降り始め、「きょうのトップで回れたのはラッキーでした」ともいう。

初日は、ダブルス戦に出場していた元ヤクルトスワローズの名ショート、宮本慎也氏と回り、「テンションが上がりました」。現役を長く続ける秘訣は「よく食べて寝ること」、ウェートトレーニングは「1年ごとに1キロでもいいから重くして上げろ」など、様々なアドバイスを受けた。大堀自身も最近はウェートトレーニングに精力的に取り組み、「試合がない日は週3、4回。試合のときは絶対月曜日にはやっている」と話す。

ウェートトレーニングについては、大堀が米ツアーで小平智のキャディを務めたときに、「アメリカの選手は試合のときも関係なくトレーニングしている」のを目の当たりにし、それから考え方が変わった。

大西が慕う2つ年上の小平は、前週の米ツアーを一区切りに日本に帰ってきて、来週の「~全英への道~ミズノオープン」にエントリーを済ませている。「ここから(日本で)3試合出るみたいなので、その3試合で一緒に優勝できたら良いですね」と競演を楽しみにしている。続けて「(岩田)寛さんも絶好調なので、3人で優勝できたらいいと思います」という。

もともと岩田と仲が良かった小平の仲介で、大堀と岩田はよく練習ラウンドをするようになった。そんな岩田は3週前の「中日クラウンズ」でツアー通算5勝目を挙げたばかり。「やっぱり寛さんはすごくゴルフを勉強されているし、僕に合ったアドバイスをしてくれる」と頭が上がらない。

昨年もパット巧者の岩田にパッティングを教わった翌週にABEMAツアーで優勝。最終戦でも勝って、逆転で賞金王に輝き、今季のレギュラーツアーのフルシードを獲得した。「こないだは祝勝会にも呼んでくれて。最近はパッティングだけでなく、ゴルフ全部を教わっています」と、岩田にはお世話になりっぱなし。来週、小平と岩田にいい報告をするためにも、上位で迎える決勝ラウンドで結果を残したい。(文・下村耕平)

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