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“87%”高精度ショットで黄金世代12人目の優勝へ 吉本ひかるは不振乗り越え成長「あの時は勢いだけでやっていた」
<明治安田生命レディス ヨコハマタイヤ 3日目◇11日◇土佐CC(高知県)◇6228ヤード・パー72>
初優勝がかかる吉本ひかるが、2位に2打差をつけるトータル16アンダー・単独トップで最終日に入る。ここまでの3日間で叩いたボギーは、初日の13番パー4で打った1つのみ。2日間をボギーフリーで終え、悲願に王手をかけた。
この活躍をけん引しているのが、本人も「安定している」と話すショット。18ホールのパーオン数は初日は12回だったが、2日目は18回と100%を記録。3日目も17ホールでグリーンをとらえ、ここまで率にして87.03%を記録している。さらにただ乗せるだけでなく、それがピンにも絡んでいる。3日目はスタートホールの1番パー4で2打目を3メートルにつけそれを決めるなど、7つ奪ったバーディはすべて4メートル以内から決めたもの。さらに2番パー3では、「あそこで流れを切らさなかったのは大きかった」という上からの1.5メートルを沈めパーセーブするなど、パットもしっかりとかみ合っている。
吉本の最終日最終組入りは、昨年8月に2位になった「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」以来で、自身6度目。これまで跳ね返されてきた初優勝に、再び高知で挑戦することになる。「バーディ合戦だと思うので、バーディをいっぱい獲らないといけない。60台を目指して頑張りたいです」と意気込む。
2019年に初シードを獲得。しかし翌年からはドライバーが曲がり、飛距離も大きく落ちる極度の不振に陥いり、シードを喪失した。ただ前述したNEC軽井沢あたりから復調の手ごたえを感じとっており、今は「不安はない」と自信をしっかりと回復するまでに至った。オフのトレーニング効果で、飛距離も10ヤードほどアップしている。
19年には優勝争いにも何度か顔を出していたが、「あの時は勢いだけでやっていた」と振り返る。しかし苦しんだ2年半の時間は、成長にもつながった。「いろいろと経験し、いろいろなことを考えながらゴルフをやってきた。この3日間ピンチがなかったけど、最終日はあると思う。それでもしっかりバーディを獲れるようにやっていきたい」と地に足をつけたプレーを心がける。
「(優勝を)意識しながら、どれだけ自分のプレーに集中できるか。(ここまで)落ち着いて、自分がやることだけを決めてそれができていた。しっかりやれば優勝できるはず」。まっすぐ勝利を見据えながらの18ホール。畑岡奈紗、勝みなみ、渋野日向子ら精鋭がそろう黄金世代は、これまで11人のツアー優勝を輩出している。そこに加わるための下準備は整っている。(文・間宮輝憲)
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