目標は「優勝争い」 吉田鈴はフィールドランキング最上位でアジア制覇へ
<アジア・パシフィック女子アマチュア選手権 事前情報◇7日◇シンガポール・アイランドCC(シンガポール)◇6343ヤード・パー72>
「もうちょっと英語がしゃべりたいです(笑)。勉強しなきゃと思いました」。昨年4月に出場した「オーガスタナショナル女子アマ」以来、海外2戦目となる吉田鈴(りん、)は大会注目選手のひとりとして全体会見に出席。英語での会話が飛び交うなか、戸惑う表情も見せながらも“大役”を果たした。
今大会には初出場の吉田が海外から注目されている理由のひとつは、世界アマチュアランキング4位(3月1日時点)でフィールド最上位につけているから。「海外の試合はそんなに出ていないけど、日本のトーナメントで上位でいられたから」とそのワケを冷静に語るが、会見での堂々とした受け答えからは、2戦目とは思えないほどの“貫録”も感じさせる。
オーガスタ女子アマでは日本勢で唯一予選を突破し、オーガスタの地に足を踏み入れた。最終日にはスコアを落とし、涙を流したが「一生の思い出に残る試合でした」と高校を卒業したばかりの18歳(当時)にとっては大きな経験となった。それ以来の海外試合だが、「緊張はあまりしていなくて、楽しみだなという思いが強い」と笑顔を見せる。
昨年は11月の最終プロテスト突破に2打及ばず涙をのんだ。このオフは合宿を張り、今大会に向けて準備を重ねてきた。ツアー通算7勝を誇るコーチの今野康晴が開催コースを訪れたことがあったことから、「グリーンにクセがあることは知っていて、パッティングを読む練習や距離感を合わせる練習を重点的に」とショートゲームに力を入れた。「オフシーズンにやってきたことの成果を出せるのが楽しみ」と話す姿からは、自信も垣間見える。
シンガポールで行われた2018年大会、そして19年大会に出場経験がある姉・優利からもアドバイスをもらった。『“うまくなりたい、うまくなりたい”だけじゃなくて、一回後ろを見てフィードバックをちゃんとしようね』。姉として、そして“先輩”としての助言は、妹の支えになる。
「優勝争いをしてみたい、目立つ成績を出したい」という目標を持ってスタートさせる2023年。今大会の目標は「トップ10を外さないことと優勝争い」。昨年は国内女子ツアーで4度決勝ラウンドに進出し、いずれもローアマに輝いた実力者が、世界ランキング上位者としての“真価”をみせつけていく。
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