失意の久保建英の再出発、レアル・ソシエダと日本代表で「絶対的な存在」を目指す
写真:久保建英(Jose Breton/Pics Action/NurPhoto via Getty Images)
カタールW杯決勝トーナメント1回戦のすべての試合が終了し、ベスト8が出揃った。
残念ながらそこに日本代表の名前はないが、大会を盛り上げた国の1つとして爪痕を残すことに成功した。
大きな期待を寄せられていた日本代表MFの久保建英にとっては失意のW杯となったが、この悔しさをバネにレアル・ソシエダと日本代表で「絶対的存在」を目指すこととなる。
久保のW杯はドイツ戦とスペイン戦の前半のみ
久保建英にとってのカタールW杯は、不完全燃焼となった。
当初は日本代表メンバー選考の当落線上にいる立場だったが、今季はレアル・マドリードからレアル・ソシエダに完全移籍した判断が功を奏し、一気に日本代表のレギュラー候補になった。
W杯初戦のドイツ戦でもスターティングメンバーに名を連ね、世界に「KUBO」の名を広めるチャンスを得た。
しかし、ドイツ戦とスペイン戦の前半では「前半は守備重視、後半勝負」という戦い方の犠牲になり、守備面では貢献したものの攻撃ではそれほど大きなインパクトを残せなかった。
特にスペイン戦の前半はコンディションも良く、キレもあったが、前半終了時に森保監督から呼び止められ交代を告げられてしまった。
その後体調不良となりクロアチア戦を欠場したため、結果的にこのスペイン戦が久保のカタールW杯最後の試合となった。
「絶対的存在」になるための戦いが始まる
久保には、三笘薫と共に日本代表のアイコンになれるポテンシャルがあるのは間違いない。
しかし、今大会はそこまでの「絶対的な存在」にはなれなかった。
久保は、今後「日本といえば久保」と言われるような存在になることを目指すだろう。
そのために必要なのは、個人としての実力を上げることはもちろんだが、レアル・ソシエダで「結果」を残し続けることが重要だと言える。
シーズン前半は左FWのレギュラーとして活躍した久保だが、「エース」とまではなれていない。
動きの質は向上しているが、やはり「数字」が圧倒的に足りていないのだ。
W杯後は、チームのエースであるオヤルサバルが本格的に復帰することから、久保はベンチスタートとなる試合が増えるだろう。
しかし、EL(ヨーロッパリーグ)の決勝トーナメントや国王杯もあることから、一定以上の試合出場は確保できるはずだ。
プレーの質にこだわるのはもちろん、毎試合得点やアシストを記録するような結果を出し続ける必要がある。
21歳ながら、素晴らしい実力と経験を手にしている久保。
今季レアル・ソシエダをEL優勝、もしくはラ・リーガ4位以内という結果に導くことができれば、来季はCL(チャンピオンズリーグ)で世界に名を売ることができる。
日本が誇る至宝、久保建英の逆襲を期待しよう。
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