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【代表戦後コメント】ピトとハイレベルな駆け引きを繰り広げたピレス・イゴール。「イメージはしつつ、最後まで我慢。相手がいざアクションしてきたらそこで初めて動く」

9月18日、愛知県・スカイホール豊田で日本代表vsブラジル代表の国際親善試合が行われ、日本は1-5で敗戦した。

昨年のFIFAフットサルワールドカップ以来の代表入りを果たした42歳のピレス・イゴールは、このブラジルとの試合でも相手が最後、どんなプレーを選択してくるか先に動かず、我慢して見極めてピンチを防いでいた。その時、イゴールは何を考えながらプレーしていたのか。

ブラジル戦を振り返ってもらうと共に、試合中の瞬間的な駆け引きや、これから行われるAFCフットサルアジアカップへ向けた意気込みを聞いた。

取材=しょうこ、川嶋正隆、福田悠
編集=舞野隼大

ブラジルの選手はみんな最後までプレーを変えられる

──ブラジルとの2試合お疲れ様でした。イゴール選手は今日も第2ピリオド頭からの出場でしたが、どんなことを意識して試合に入りましたか?

ハーフタイムの時点で0-1のビハインドだったけど、第1ピリオドからチームとしていい試合ができていると思っていました。そのなかで木暮(賢一郎)監督からは「まずは無失点で」ということを言われて試合に入りました。自分が後ろでしっかり守っていれば、みんなの自信も上がるし流れも良くなる。同点、逆転を目指すためにまずはそこを意識しました。

だけど相手はすごく強いチームなので、難しい作業でした。今日は失点してしまいましたが、アジアカップではそこを修正できるようにまたいいトレーニングをしたいと思います。

──この2試合でプラスになったことは?

第1戦はチームとしてあまり良いプレーができませんでしたが、今日は(内容的に)いいプレーもありました。自信になったと思うし、常に改善していくことが大事。この2試合の経験は間違いなくプラスになったと思います。

W杯が終わって、日本代表は新しいサイクルに入りました。新しい若い選手も入って、次のW杯までのチームの過程としてはまだ始まったばかりです。だからこのチームはまだまだ成長できると思います。アジアカップ優勝を目指して全員で頑張ります。

──ブラジル代表は、イゴール選手から見てもやはり別格に強いと感じますか?

GKとして対峙するのは、やはりすごく大変です。シュートはもちろん全員上手いけど、それだけじゃなくて、セグンドの使い方とか、シュートと見せ掛けてのフェイントとか。相手が仕掛けてくる前に全部読んで準備しないといけない。予測するのがすごく大事です。でも、あのレベル相手だとそれがとても難しい。

例えば10番のピト。強いシュート以外にループシュートも、ドリブルもある。でも周りの選手のことも本当によく見ているから、仕掛けている途中でパスもある。だからGKはその瞬間、瞬間で「どっちだ? どれで来る?」というのを常にイメージし続けないといけない。相手をよく見ながらね。そしてイメージはしつつ、最後まで我慢。先に動かないようにギリギリまで我慢して、相手がいざアクションしてきたらそこで初めて動くようにする。

でも、ピトとか上手い選手は最後まで状況を見てプレーを変えられるから本当に難しい。ブラジル代表はそういう選手ばかり。みんなすごく良い選手です。

──そういう意味では、3失点目のオウンゴールの場面はイゴール選手個人としては素晴らしい対応だったのではないでしょうか。ピトとのゴール真正面での完全な1対1でしたが、ギリギリまで我慢して遅らせて、一つ外に運ばせてから一気に寄せて、ファーへのラストパスを身体に当てていました。

そうですね。我慢して対応して、少しでもコースを消せたかなとは思います。最後はアルトゥールのオウンゴールになりましたけど、一生懸命戻って来てくれた結果、当たって入ってしまっただけ。そこは仕方ないですね。

──思えば、昨年のW杯のラウンド16でブラジルと対戦した際にもピトが裏に抜けてきて1対1になったシーンがありましたね。

ありましたね。あの時は胸でトラップした瞬間に、彼がループシュートを打つ仕草を見せたんです。本当に一瞬ね。トラップの仕方もそのためのトラップだった。でも多分、こっちの体勢を見て、ループシュートを読んでいると思って、ドリブルに変えてきた。

──なるほど。先ほど「上手い選手は最後まで変えられる」とおっしゃいましたが、あの場面がまさにそれだったと。

そう。ピトは特にいい選手だけど、ブラジルは他の選手もみんな最後までプレーを変えられる。それは本当に良い選手である証拠です。みんなGKの前でいつも落ち着いてる。そしていつも最後まで見てる。GKとしては頭でそれを分かっていても、止めるのは簡単ではないです。

でも、この2試合は自分にとってもチームにとってもとてもプラスになったと思います。実際に対戦してみないと分からないこともたくさんあるから。若い選手はもちろんいい経験になったと思うけど、自分としてもこの2試合でまた成長できたと思います。

アジアカップに向けてそれがすごく大事なことだし、この素晴らしい2試合を組んでくれたことに感謝したいと思います。

──ちなみにクレパウジ・ヴィニシウス選手とは、このブラジルとの2連戦で日本代表選手として初めて一緒にプレーしましたが、いかがでしたか?

とても嬉しいね。サンパウロ州選抜としてブラジルでも一度だけ一緒にプレーしたことがあって、その後日本に来てからシュライカー大阪、ペスカドーラ町田で共にプレーしました。みんな知っているかもしれないけど、僕たちは普段からすごく仲がいいです。だから今回日本代表として一緒にプレーすることができて本当に嬉しいです。

合宿中もたくさん話をしました。けど、彼はうるさい。マジでうるさい(笑)。

──ブラジル代表監督はイゴール選手の恩師でもあるマルコス・シャビエルさんでした。いいプレーを見せられましたか?

彼とは特別な信頼関係があります。僕が病気になった時もわざわざ病院へお見舞いに来てくれたんです。あの時は本当に大変な時期だったので、すごく大きな力を与えてくれました。心から感謝しているし、リスペクトもしているし、W杯で対戦した時もそうでしたが、会えば必ずハグをします。

今回、彼の率いるブラジル代表が日本に来てくれて、僕たちのアジアカップへの準備をサポートしてくれたことにも感謝しています。ブラジルから日本への移動はとても時間が掛かるし、大変なのは僕も知っているからこそ尚更です。彼は日本のフットサルをすごくリスペクトしてくれているし、日本という国が大好きです。だから来てくれたんだと思います。彼らは世界でもナンバーワンのチーム。本当に感謝しかないです。

──今回のブラジル戦のメンバーでクウェートに渡ることになりましたが、8年ぶりのチャンピオンに向けた意気込みをお願いします。

日本代表として、8年ぶりの優勝を掴み取りたいと思います。間違いなく簡単ではないけど、グループリーグから1試合1試合しっかり戦って、チャンピオンになって帰ってきたいです。

この2試合もそうでしたが、いつもファンの皆さんにもたくさん応援していただき感謝しています。皆さんにいい報告ができるよう、全員で頑張ってきます。

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