【卓球】美誠に勝った芝田に期待 きょう初戦の日本ペイントマレッツ
先週開幕した卓球の「Tリーグ」。きょう(16日)は、昨シーズン女子2位の日本ペイントマレッツが初戦を迎える。チームは今シーズンに向け、佐藤瞳選手や橋本帆乃香といった世界で活躍する新戦力を投入したほか、先月行われたTリーグ初の個人戦で伊藤美誠を破った芝田沙季の起用も注目される。大会を前に、最新のチームの情報や注目選手について、試合の解説を務める藤井寛子さんに聞く。(取材・文/二株麻依)
今年の「ニッペ」は期待の新戦力揃い
橋本帆乃香(写真左)と佐藤瞳(写真右)
ーー昨シーズン、女子2位だった日本ペイントマレッツ(通称「ニッペ」)は、メンバーが結構変わりましたよね。
藤井寛子(以下、藤井):そうですね。九州アスティーダで戦っていたミキハウス所属の佐藤瞳選手と橋本帆乃香選手が移籍してきたのに加え、トップおとめピンポンズ名古屋にいた愛知工業大学の大川真実選手と岡田琴菜選手が入りました。
大川真実(写真左)と岡田琴菜(写真右)
そして、インターハイ女子ダブルス2連覇を達成した四天王寺高校の大藤沙月選手、横井咲桜選手のペアも揃いました。(大藤選手は昨シーズンから所属)ミキハウス、愛知工業大学、四天王寺高校のメンバーでかなり強豪チームになったと思います。
大藤沙月(写真左)と横井咲桜(写真右)
気になるオーダーは
ーー今シーズンはどんな戦い方をすると予想しますか。
佐藤瞳
藤井:世界選手権でメダルを獲った”カットのスペシャリスト”佐藤選手と橋本選手がいるので、そこでカットダブルスを組んでも良いですし、あとは大藤選手、横井選手のペアにも組み替えられると思います。あとは対戦相手によっては大川選手と岡田選手のペアも考えられます。試合の流れを作るために、いろんなペアが出せるメンバー構成になっているなと思います。
シングルスは、どの選手が出ても強いので、その日の調子に合わせたり、相手に合わせたりして、オーダー(団体戦に出る選手やその順番)もいろいろ変えられます。実力があり、勢いもある選手たちが揃っている印象です。
ーー主力の佐藤選手や橋本選手がバンバン出そうですか。
藤井:どうでしょうね。WTT(卓球の国際大会の新シリーズ。ITTF・国際卓球連盟が2021年にスタートさせた)との兼ね合いもあって。やっぱり彼女たちは次のパリオリンピックを目指している選手なので、WTTとTリーグの試合が重なると、WTTを取る可能性もかなり高いです。
ーーシーズン中、選手をフルで起用できるとは限らないのですね。
藤井:そうですね。皆さん、スタッフや選手と相談して、決めていくんです。
橋本帆乃香
伊藤に勝利 芝田がチームをけん引か
芝田沙季
ーー藤井さんが今一番注目しているのはどの選手ですか。
藤井:佐藤選手や橋本選手など、世界選手権で活躍しているミキハウス勢に、芝田沙季という選手がいます。先月行われたTリーグの個人戦では、伊藤美誠選手に勝ちました。芝田選手は、いろんな戦型に対応できる選手で、両ハンド(フォア・バック)のパワフルな卓球をします。前陣で戦うだけじゃなくて、少し台から下げられても(離れて打つことになっても)、しっかりと打球ポイントを作って、運動量の多い両ハンド、威力のある両ハンドドライブが打てるのが持ち味です。これまではそつなくこなすというか、きれいな卓球をする選手でしたが、台上プレーなどの細かい技術が上手になってきていて、伊藤選手の速いボールや、異質ラバーからのボールにも対応できる力がついてきたかなと。今後期待できる選手だなと思っています。
カットマンの佐藤選手、橋本選手が、国内では対策されやすいため、その時にチームを救うのが芝田選手になっていくかなと思っています。
(次のページ「世界で活躍する選手を育てる」へ続く)
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