裏方、それぞれの理由<全農杯2022年全日本卓球選手権大会ホープス・カブ・バンビの部 愛媛県予選会>
卓球インタビュー 裏方、それぞれの理由<全農杯2022年全日本卓球選手権大会ホープス・カブ・バンビの部 愛媛県予選会>
2022.05.25
この記事を書いた人 槌谷昭人1979年生まれ。テレビ/映画業界を離れ2020年からRallys編集長。
軽い小咄から深堀りインタビューまで、劇場体験のようなコンテンツを。
戦型:右シェーク裏裏 @tsuchito なぜ、そんなに夢中になれるのか。
全農杯全日本ホープス・カブ・バンビの部 愛媛県予選の裏方で、そう尋ねてみたくなる二人の大人に会った。
写真:大会会場の愛媛県今治市は、島の豊かな自然を楽しめる「しまなみ海道」で人気だ/撮影:槌谷昭人
写真:全農杯2022年全日本卓球選手権大会ホープス・カブ・バンビの部 愛媛県予選の会場/撮影:ラリーズ編集部このページの目次
- [18 特集・ふるさとホカバ]()
副市長経験もある理事長
一人目が、2018年から愛媛県卓球協会の理事長を務める、遠藤美武(よしたけ)氏である。
かつて松山市の副市長まで務めた遠藤氏の尽力もあり、愛媛の卓球は活性化している。
国体での成績こそまだ結果が出ていないが、2022年だけでも、1月の全国中学選抜卓球大会、夏には四国インターハイ卓球競技と、多くの全国大会を愛媛に誘致している。
「強化と合わせて、大会の運営能力を高めることも協会の目標の一つに掲げています。全国大会での審判や進行の力もついてきました。県内での卓球の認知度も上がってきたように思います」と、遠藤氏は手応えを語る。
写真:愛媛県卓球協会理事長 遠藤美武氏/提供:愛媛県卓球協会## 国体が終わっても続けた強化
えひめ国体が開催されたのが、2017年。
一般に、国体が終われば強化予算も縮小されて停滞期が続く都道府県が多いなかで、愛媛県卓球協会は競技力向上対策本部を立ち上げ、強化活動を持続させている。
スポーツ専門員としての活動が4年目になる英田理志に加え、今年新たに昨年全日本選手権ベスト8の南波侑里香が加わり、各カテゴリーの強化練習などを県下で積極的に行っている。
写真:英田理志(愛媛県競技力向上対策本部)/撮影:ラリーズ編集部
写真:南波侑里香(愛媛県競技力向上対策本部)/撮影:ラリーズ編集部「県知事の理解が深いことがありがたいです。私たちも、卓球がボートや弓道に並んで、地元・愛媛を代表するスポーツになれるよう、強化と卓球人口の拡大に取り組んでいます」遠藤理事長は力を込める。
県外進学の課題
ただ、強化面で抱えている問題は、多くの地方卓球協会と同じだ。
トップ選手を育成できる学校やクラブチームが少なく、多くの有望なジュニア選手が、中学以降は県外に進学せざるをえない。
「現在の環境では、仕方のないこと」と割り切ったうえで遠藤氏は「その代わり、小学生までの子どもの強化にしっかり取り組みたいと思っています。将来、国体で愛媛代表として出場してくれたり、いつか地元に戻ってきたときに活動できる環境を整えたい」と、かつての地方行政官のプロらしく、現実的な対応策に奔走している。
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