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“名誉挽回ゴール“の南野拓実に届く称賛と厳しい声。「今夏の退団を真剣に考えるべき」との指摘も

南野はブレントフォード戦で途中出場からチームの3点目を決めたが…。(C)Getty Images
 リバプールが4戦ぶりの白星を飾ったプレミアリーグ第22節のブレントフォード戦(3−0)、南野拓実は74分にアレックス・オクスレイド=チェンバレンの負傷を受けてピッチに登場し、その3分後にトドメとなる3点目を挙げた。

 相手ペナルティーエリア内で縦パスをカットしたロベルト・フィルミーノとの素早いパス交換からゴール右隅にダイレクトシュートを流し込んだ南野は、さらに終盤には若手のカイデ・ゴードンにスルーパスを通して4点目か、という場面も創出するなど、20分間程のプレー時間で目に見える結果を残してみせた。

 自身のSNSに「チームメイト、コーチングスタッフ、ファンとともにバースデー勝利を分かち合えたことがとても嬉しいです」と投稿して喜びを表わした南野について、英国日刊紙『The Guardian』は「モハメド・サラー、サディオ・マネらワールドクラスのチームメイトがいない中で、代役となったアレックス・オクスレイド=チェンバレンとミナミノは1点ずつを奪い、その責務を果たした」と伝えた他、日本人選手について以下のようにも綴っている。
 「オクスレイド=チェンバレンの不幸な怪我によって交代出場したミナミノは、フィルミーノの無私無欲とブレントフォードの不注意という恩恵を受け、アーセナル戦での90分のミスの後、簡単なタップインによって自信を取り戻した。そしてその後、ゴードンにクラブ史上最年少のゴールスコアラーになる素晴らしいチャンスも与えた」

 アーセナル戦のミスとは、言うまでもなく3日間前に行なわれたカラバオ・カップ準決勝のファーストレグで両者スコアレスのまま迎えた試合終了間際にフリーでのゴールチャンスでダイレクトシュートがクロスバーを越えた場面のこと。多くの現地メディアがセンセーショナルにこれを取り上げた他、リバプールOBのジェイミー・キャラガーが「彼のリバプールのキャリアそのもの」、元イングランド代表FWケビン・フィリップスが「大事なところでクオリティーが出せない」と、南野を酷評したものである。
  一部の現地メディアは、90分を通したプレーについてはチームメイトを上回っていたとして、勝利を逃した全責任を南野に押し付けるのはアンフェアだと主張したものの、多くの批判がこれをかき消す状態となったが、それから3日後に彼がゴールを挙げたことについて、ユルゲン・クロップ監督は「本当に素晴らしいゴールを決めたことは、彼自身と我々にとって大いに役に立った。これは重要なことである」と語り、さらに以下のように続けている。

「タキが怪我(筋肉異常)から回復した時、リズムを失っていた。それを取り戻すことは簡単ではなく、木曜日の試合(アーセナル戦)から3日後ということで今日はスタメンを外れたが、プレーは良かった。彼は今、良い状態にある」

 また、チームメイトのアンディ・ロバートソンもこの件に言及し、「メディアや世間で多くのことが言われた。もちろん、彼自身もあれは決めるべきだったと理解しているが、絶好のチャンスを逃した後、しっかり修正することがストライカーにとっては何よりも重要であり、彼はそれをやってのけた。彼が自信を持つこと、そしてチーム内で活躍できるようになったことが嬉しい」と語っている。
  英国日刊紙『THE SUN』も「ミナミノはキャリアを取り戻したようだ」とポジティブに状況を捉えているが、そうではないメディアも存在する。総合サイト『HITC』は「アーセナル戦でフリーでのチャンスを逃したミナミノを、クロップ監督が完全に信頼することは決してない」と断言し、MF登録のオクスレイド=チェンバレンがウイングとして優先的に起用されたことを理由に「ミナミノは今夏、アンフィールドを去ることを真剣に考えるべきだ」とまで綴った。

 カラバオ杯に関しては、アーセナル戦以前の全3試合で貴重なゴールを挙げ、勝利の立役者となってきたものの、一転してその功績はなかったかのような厳しい批判を受けた南野。今回のゴールで帳消しとならないのであれば、20日に行なわれるアーセナル戦のリターンマッチで結果を残して汚名を晴らすしかないが、果たして……。

構成●THE DIGEST編集部

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