7打差逆転負けで放心状態 失意の中で迎えた29回目の誕生日【名勝負ものがたり】 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net
前年にはワールドカップにも出場 飛ぶ鳥を落とす勢いだったが…(撮影:GettyImages)
歳月が流れても、語り継がれる戦いがある。役者や舞台、筋書きはもちろんのこと、芝や空の色、風の音に至るまで鮮やかな記憶。かたずをのんで見守る人々の息づかいや、その後の喝采まで含めた名勝負の数々の舞台裏が、関わった人の証言で、よみがえる。
鈴木亨の大きな悔しさは、1995年日本プロゴルフ選手権にある。36ホールを終えて7打差単独首位に立ちながら、佐々木久行に大逆転では敗れたあの日…。シニアツアーで活躍する今も忘れられない“大魚を逃した”記憶とは…。
「あまりにも2位との差が開きすぎて、どうやってプレーしたらいいかわからなくなっちゃったんです」。26年前の“敗因”を、鈴木が振り返る。
93年ジュンクラシックで初優勝を飾り、94年日経カップで2勝目。95年もここまでに7試合でプレーしてトップ10が3回と調子は悪くない。前週のフジサンケイクラシックでも優勝争いのすえの6位。だが、乗り込んだ夏泊ゴルフ[リンクス]()。風も強いし、どうなるのだろう」というのがファーストインプレッション。しかし、ふたを開けてみれば、初日から2イーグル、4バーディ、1ボギーの7アンダー65という最高のスタートだった。
2日目も1イーグル、6バーディ、1ボギーで連日の65。トータル14アンダーで2位の高見和宏、伊澤利光に7打差単独首位という独走態勢だった。「すごいいいプレーができちゃったんです。調子はいいけど、若気の至り、というかなんというか、自分に確たるものがあったわけではなかった」。この大差が、逆に鈴木には災いした。
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