「早稲田大学卒業です」小野祐夢が正式に報告「17年から5年かけました」 | ゴルフのポータルサイトALBA.Net
大隈重信像の前で卒業を報告(本人提供)
<KKT杯バンテリンレディス 事前情報◇13日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6499ヤード・パー72>
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロフィール欄を見ると出身校の欄に『早稲田大学』が加わった。昨年のステップ・アップ・ツアー賞金ランキング2位の資格でレギュラーツアーの前半戦を戦っている小野祐夢だ。
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「ぜんぜん(周りにも)言っていなかったんですけど、5年かけて卒業しました」。同大の人間科学部健康福祉科学科のeスクール(通信制)を卒業。先週は同大におもむき、学位記を受け取り大学生活を終えた。
2016年にプロテスト合格。高校卒業と同時にプロか大学進学か迷いながらプロの道を選択した。「大学に行っていたらプロは目指さなかった」と、一度は諦めた片方への気持ちは消えず、JLPGAを通じて同大の受験が可能なことを知り、面接と小論文の受験を突破。プロゴルファーの裏で女子大生として、勉学に励んでいた。
「毎週パソコンを持っていって、練習ラウンドや試合が終わったりすると毎週ごとの授業を受けてレポートを書いたりしていました」と、ステップ、レギュラーの試合に出続ける中でも、4年間で単位を取り続け、昨年度は1年かけて2万字の卒論を書き上げた。
専門は行動分析学で、卒論のテーマは『ゴルフのパフォーマンスと心理的柔軟性の関連』と、自身のプレーにも役立つ研究を進めた。「アマチュアとプロの違いについて、アンケートをとって、アマチュア、プロのそれぞれの傾向をまとめました」と、プロゴルファーだからこそ分かる心理とアマチュアとの比較、そこから自身のプレーに生かせる取り組みとなったと胸を張る。
苦労したのはパソコンの扱いからだった。「高校の同級生からワード、エクセルとかパワーポイントとか資料の作り方を教わったり、みんなに助けてもらいました」。キーボードを叩くことからはじめた。さらに入試の際には、「高校の先生のところに行って面接の練習をしていただいたり、小論文を見ていただいたり」と人脈をフル活用した。
大学生活5年間で、大学に赴いたのは面接時と、学位記授与の2回だけだが、やりきった充実感は大きい。「やっと終わったという感じ」と胸をなで下ろすと同時に、学んだことをムダにしないための取り組みはここからだ。今週は「狭いホールもあるけど、怖がらずにドライバーを打っていきたい」と心理面でのコントロールをさっそく発揮し、早稲田大卒業の成果を見せる。(文・高桑均)
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