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ケガ人続出のレイカーズを救ったモンク。ヒート戦での勝利に「どんな瞬間であろうと準備できているのさ」<DUNKSHOOT>
現地時間11月10日(日本時間11日、日付は以下同)に行なわれたマイアミ・ヒート対ロサンゼルス・レイカーズの一戦は、2時間45分に及ぶ激闘となった。
「最初から最後まで、激しいゲームだった」とバム・アデバヨ(ヒート)が振り返った通り、一昨季のNBAファイナルのリマッチは同点14回、リードチェンジ33回というシーソーゲームに。
第4クォーター残り1分を切っても両チーム譲らず、レイカーズはラッセル・ウエストブルックのプルアップジャンパーで2点をリードするも、ヒートもタイラー・ヒーローのジャンパーで追いつく。残り27.4秒に再びウエストブルックが難しい態勢からフェイダウェイジャンパーを決めれば、同23.5秒にPJ・タッカーがプットバックダンクを叩き込んで延長へ突入。
延長でも1点を争う接戦が繰り広げられたが、最後はホームのレイカーズが抜け出し120−117で勝利。8日のシャーロット・ホーネッツ戦に続き、2戦連続の延長戦を制して今季の成績を7勝5敗とした。
レイカーズはマリーク・モンクがチームトップの27得点に6リバウンド、3アシスト、ウエストブルックが今季3度目のトリプルダブル(25得点、12リバウンド、14アシスト)、アンソニー・デイビスが24得点、13リバウンドで牽引。さらには5本の3ポイントを沈めたエイブリー・ブラッドリーが17得点、カーメロ・アンソニーとウェイン・エリントンがそれぞれ12得点を供給した。
デイビスは「ラス(ウエストブルック)について言えるのは、彼には善悪の観念なんてないということ。20本連続でミスしようと、次もシュートする。彼は全く恐れることなんてないし、容赦ないのさ」と語り、ウエストブルックは勝利の要因を「粘り強さ」だと明かした。
「粘り強くやるってことさ。何人もの選手たちが欠場して、少ない人数だった。でも俺たちは競い合ってきた。誰がプレーしていようと、どんな状況であろうとね。試合に勝つチャンスは自分たちで作り出すものなんだ。俺たちはそうしたレベルで戦わなきゃいけないのさ」
2試合連続でトリプルダブルを達成したウエストブルックがそう語ったように、レイカーズはレブロン・ジェームズに加えてラジョン・ロンドとオースティン・リーブスもハムストリングの張りのため欠場と、戦力ダウンのなかで勝ち切った。
なかでもベンチスタートながらフィールドゴール成功率76.9%(10/13)、3ポイント成功率57.1%(4/7)の大活躍を見せたモンクは「選手たちがたくさんケガをしていた時、シャーロットで何度かこの役割を担ってきた。そこで多くの出場時間を手にし、普段はやらないことでもこなしてきたんだ。僕は自分のゲームを磨いているから、どんな瞬間であろうと準備できているのさ」と頼もしい言葉を残していた。
この試合、モンクはヒーロー(27得点)と点の取り合いを演じたものの、そのことについて聞かれると「別にマッチしてたわけじゃない。バスケットボールをプレーしていただけ。彼は素晴らしい選手ではあるけど、僕は目の前に誰がいようとそいつを叩きのめすだけさ」と自信たっぷりに語った。
ケガ人続出でベストメンバーがなかなか揃わないレイカーズにとって、モンクのような爆発力のあるスコアラーは貴重な戦力。スター軍団の陰で奮闘する仕事人の働きに、今後も期待したい。
文●秋山裕之(フリーライター)
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