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二けた勝利を目指すカギはどこに? “投手・大谷”の飛躍ポイントは、「昨季にハマった投球スタイル」の確立にあり

気迫あふれる投球でチームのエース級に成長を遂げた大谷。投手として、さらなる進化のカギはどこにあるのだろうか。(C)Getty Images
覚醒した偉才の“二年目”に注目が集まっている。ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平だ。

過去3年は怪我もあり、満足のいく活躍ができなかった大谷。しかし、渡米4年目の昨シーズンは投打で異次元の活躍を見せた。打っては本塁打王争いに最後まで絡む46ホーマーを放ち、100打点、103得点をマーク。投げても23先発で130.1回、防御率3.18、156奪三振を記録。『リアル二刀流』で球界を席巻し、ベーブ・ルースですら成しえなかった史上初となる投打5部門での「クインタプル100」(イニング、奪三振、安打、得点、打点)もやってのけたのだ。

MLBでのキャリアではじめて、1年を通じて二刀流をやりきった。そんな27歳のサムライは、来る新シーズンも1年間二刀流をやり遂げられるのか。その興味深い挑戦には、米メディアからも熱い視線が向けられている。

現地時間2月2日、米スポーツ専門メディア『Bleacher Report』は、「ショウヘイ・オオタニが2022年にさらに良くなることは可能か?」という特集記事を掲載。そのなかで二けた勝利を掴み損ねた投手としての力について、「まだまだ進化できる」と切り込んだ。

まず、触れたのは、昨シーズンに渡米後自己最速(101.9マイル=約164キロ)を記録した4シーム。間違いなく投球の軸となるボールについて「実はこの球種はあまり良くなかった」と説いた同メディアは、被打率.294、長打率.512であると紹介。とりわけ、球速が95マイル(約152.9キロ)以下の球は被長打率.692と散々だったために「あまり効果的ではなかった」とズバリ指摘している。

では、どう改善すべきなのか。「すでにオオタニは理解している」とした同メディアは、2ストライク時には97.2マイル(約156.4キロ)、得点圏に走者を背負った状況では96.8マイル(約155.8キロ)と平均球速が上がっている傾向をふまえ、「球速を上げる選択が肝になる」と主張した。

【動画】名投手も唸った大谷翔平の『伝家の宝刀』スプリットでの奪三振シーン また、大谷の変化球については、「昨季後半戦は、速球に頼る割合がどんどん減った」と、9月にスライダーが最も投球割合の高い球種になったと指摘。「それがうまくハマった」と分析した。

「前半戦に防御率3.49、K-BB%(三振と四球の比率)は2.5だったが、後半戦は防御率2.84、K-BB%は7.7と改善。オオタニがスプリッターとスライダーに頼った事実は、あまり驚くには当たらないかもしれない。前者は間違いなく野球界で最高のボールであり、後者も被打率.193と打者を苦しめた。

むしろ、本当に驚くべきは、曲がる球を多く投げた方がストライクの割合が増え、四球も少なくなった点だ。彼はこの新たなコンセプトで成功できる証明した。2022年に投手として成功するためには、このピッチングスタイルを今以上に確立すべきだ」

一時は現地メディアでサイ・ヤング賞の受賞も囁かれた「投手・大谷」。もしも、同メディアが指摘する投球スタイルを確立できれば、投手にとっての最高の栄誉を手にできるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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