「簡単だと思っていたことができない」綿貫陽介と望月慎太郎のチグハグトーク。オフの日の過ごし方をアドバイス<SMASH>
未来の日本テニス界を背負う綿貫陽介と望月慎太郎。5歳違いの2人は、チグハグそうに見えて何だか仲がいい。この2人に、自身のプレーについて、お互いへの質問やアドバイスを聞いた。
得意ショットを訪ねると、望月が「バックハンド」と即答。そのショットを打つ時に意識していることは、「試合中に考えてもダメだと思っているので、入ると思って打って、信じること。ミスしたか入ったかということは気にしていません。ミスしても次は入るだろうという気持ちです」と、メンタル重視の独特な答えを披露する。
一方、「フォアのカウンター系が得意」と言う綿貫は、「得意なショットを打つ時は、『打ってやろう!』と意気込むと空回りしがちなので、平常心で。得意なショットこそ、雑にならないように慎重に打とうと思っています」。この2人の気持ちの持ちようは、一般プレーヤーにも参考になるだろう。
2人のフットワークを支えるアシックスのシューズについて聞くと、『SOLUTION SPEED FF 2』を履いている綿貫は、「軽いシューズを選びました。絶対に速く走りたいし、長く走り続けることにもなります。少し重いだけでも疲れに直結するので、軽くて長持ちするシューズはありがたいです。海外に行くと身長が低い方になるので走り回らないといけません。それを支えてくれるシューズです」としっかりとした返答。
それを聞いた望月は、「はあ~。説明うまいですね」と感心して、『GEL-RESOLUTION 8』について「最高のシューズです! 動きやすかったです。切り返しがうまくできました」と頑張って感想をまとめた。
プロ1年生となる望月から綿貫への質問は、「オフの日、テニスをしていない時間をどう過ごしているんですか?」というもの。
綿貫は、「ジュニアの頃は、毎日テニスだからね。僕もこの1、2年でオフをどう取るかを考えるようになった」と、その質問をする気持ちがわかる様子。意外にプロ1年生にとっては、突然時間ができて迷う部分なのかもしれない。
綿貫は「僕は車が趣味なので、ドライブに行ったり洗車したりしている。選手によっては、プロはどんな時でもテニスのことを考えているべきという意見もあると思う。自分が最近思ったことは、テニスだとできないことはあまりないけど、他のことに触れてみると、『あれ? できないな』ということがある。簡単だと思っていたことができないというのは、すごく経験になるのかなと思う」と、人生の幅を広げるための先輩らしいアドバイスをした。
「無免許ですがやってみます」とボケで返す望月。車以外の趣味を見つけて、新しい発見をしてほしい。
最後に先輩の綿貫から望月へのアドバイスを聞いた。「まず、気負うことなく行けるところまで行ってみてほしい。色々とこうした方がいい、ああした方がいいと言われると思うけど、まずは自分が信じることをやってみて」と、重要な1年目の心構えを話した。
続けて、「本当に行き詰った時には、いろんな人が手を差し伸べてくれるから。その時に人の意見を初めて聞けるようになる。僕はジュニア上がりでつまずいたところがあったので、同じようにはならないで、突っ走ってほしい」と、自身の経験を踏まえた温かいメッセージ。
望月は「突っ走ります」と力強く答えた。5歳年が離れているとはいえ、目指しているところは同じ。切磋琢磨して日本テニス界を盛り上げてほしい。
●綿貫陽介/Yosuke Watanuki
1998年4月12日生まれ、23歳。180cm、63㎏。18歳でワールドスーパージュニアに優勝し、同年に全日本覇者に。得意ショットはフォアハンドで、相手によってプレーを変えることができる。ATP263位(22.1.10.付)。自己最高171位(19.3.18.付)
●望月慎太郎/Shintaro Mochizuki
2003年6月2日生まれ、18歳。175cm、70kg。12歳からIMGアカデミーで腕を磨き、16歳でウインブルドンジュニア優勝。得意ショットはバックハンドで、ネットプレーもできるオールラウンダー。ATP389位(22.1.10.付)。自己最高365(21.11.22.付)
取材●赤松恵珠子(スマッシュ編集部)
取材協力/アシックスジャパン株式会社
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