「アグレッシブになる必要がある」シクサーズ加入後8勝2敗と好調なハーデン。エンビードも「正しいプレーができている」<DUNKSHOOT>
現地時間3月18日(日本時間19日)、フィラデルフィア・セブンティシクサーズはホームでダラス・マーベリックスを111−101で下し、今季戦績を43勝26敗(勝率62.3%)とした。
この日はジョエル・エンビードがゲームハイの32得点に8リバウンド、4アシスト、5スティールをマーク。さらにジェームズ・ハーデンが24得点、7リバウンド、12アシスト、トバイアス・ハリスが14得点、ジョージ・ニアンが12得点、マティス・サイブルが10得点、2スティールと続いた。
先月のトレード・デッドラインでブルックリン・ネッツから加入したハーデンは、シクサーズで10試合を終えて平均38.0分、22.9点、6.8リバウンド、10.7アシストを記録。チームも8勝2敗という好成績で、イースト首位争いを演じている。
ここまでのプレーについてハーデンは「凄くいいね」と切り出すも、まだまだこんなものではないと言わんばかりに今後のさらなる奮起を誓った。
「俺はアグレッシブになる必要がある。今夜はそのいいサインになったと思う。俺には依然としてアタックモードになって点を取りにいく必要がある。それが俺の仕事だからね。プレーメーカーの時とのバランスをとろうとしているのさ」
その言葉を体現したのがマブズ戦の第4クォーター。ハーデンは両チーム最多の11得点、4アシストでチームを牽引し、ウエスタン・カンファレンス上位チームを破る殊勲者となった。
「この試合の、特に第4クォーターで俺はアタックを繰り返し、プレーメーキングもできていた。ロブ(パス)があり、3ポイントを生まれた。それは俺の積極性から発生したものなんだ。俺たちはゲームの流れを読んでいかなきゃいけない。今夜の俺は、まさに上手く読むことができたと思うね」
ヒューストン・ロケッツ時代には3シーズン連続で平均30点超えでの得点王を獲得してきたハーデン。緩急をつけたドライブからレイアップやフローターを繰り出し、アウトサイドではシグネチャームーブのステップバックスリーで毎シーズンのようにチームのスコアリングリーダーを務めてきた。一方で、今季のシクサーズにはエンビードというリーグ随一の支配力を誇るビッグマンがいる。
ハーデンは「俺はただ、相手のピック&ロールに対するディフェンスを読んでプレーメークしているだけさ」と語るとともに、「このチームは俺がそこまでやらなくても十分なタレントが揃っている。その時が来たらやってみせる準備はできている」と自信も見せている。
実際、シクサーズ加入後は速攻での素早いパス回しやハーフコートの2メンゲーム、あるいはシューター陣へ鋭いキックアウトで何度も得点機会を演出。今季のMVP候補で、初のNBA制覇に向けて気合十分のエンビードも、新たな相棒に早くも信頼を寄せている。
「プレーオフでは点を取るか味方を見つけるかに関係なく、アグレッシブになる必要がある。俺とのプレーでもそれは同じだ。俺たちとプレーし始めてから、このチームは(ハーデンも含めて)得点かプレーメーキングか、正しいプレーができている」
エンビードにとって、これまでのキャリアで平均20点を軽々と記録するバックコートの選手はほとんどおらず、該当するのは2019年のジミー・バトラー(現マイアミ・ヒート)くらいだろう。そのため、今年のプレーオフはこれまでよりも少ない負担のなか戦うことが期待できる。
ハーデンがプレーオフに向けて積極性を増し、ここからさらに得点とアシストを量産することができるのであれば、エンビードとのコンビは相手チームにとって脅威でしかないだろう。
文●秋山裕之(フリーライター)
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