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“仮想アンゴラ”を完封。W杯で最も重要な初戦へ向け好感触【日本代表マッチレポートvsモロッコ】

9月7日(日本時間8日)、日本代表はアフリカ王者・モロッコと国際親善試合を戦った。FIFAフットサルワールドカップリトアニア2021のグループステージ初戦まで7日に迫るなかで最後の実戦機会。日本は、初戦で戦うアンゴラを“仮想”する相手に3-0で完封勝利。6連戦をいい形で締めくくった。

6連戦で際立った課題と解決策とは?

8月7日からスペイン・ポルトガル遠征を行ってきた日本は、前回大会ベスト4のポルトガル、優勝国のアルゼンチン、W杯過去2回優勝のスペインといった強豪国を含む6カ国と国際親善試合を戦った。

結果は2勝1分け3敗。

勝ったのは、ベトナムと今回のモロッコ。一方、敗れた3試合は上述の3カ国。ポルトガルに2-3、アルゼンチンに1-2、スペインに0-2と、いずれもスコアと内容は競ったものだった。引き分けはベネズエラ戦。残り9秒にパワープレーから同点弾を許し、勝利を取りこぼした。

6試合を終えてあぶり出された課題は、試合の入り方と、終わらせ方。特にアルゼンチン戦は、開始2分と7分に失点したことで、試合の流れを引き寄せられなかった。

「序盤の失点はありましたが第1ピリオドは拮抗し、第2ピリオドも数々のチャンスができていたので、そこで得点できていれば、見え方も振り返り方も違っていた」

ブルーノ監督がそう振り返ったように、前回王者に肉薄しただけに、ゲームコントロール──とりわけ試合の入り方──は、勝ち点計算に大きく影響する要素になるだろう。

一方、試合の終わらせ方も重要だ。

「ポルトガル戦は、試合への入りが非常に良かったが(2度のリードを奪いながら逆転を許して)勝てなかった。そこに課題がありますし、ベネズエラ戦に関しては、最後のコントロールをどうするか。また、その前の状況で決めておくべきでもありました」

今一度、試合の展開に応じた身の振り方を確認して試合に望む必要がありそうだ。

とはいえ、そうした課題は往々にして「得点」が解決してしまう。

6試合で挙げた得点は「9」。「3点差がひっくり返る」ことも珍しくないフットサルにおいて、1試合の平均得点「1.5」では物足りない。

清水和也:4得点(うち第2PKが1点)
オリベイラ・アルトゥール:2得点(うち第2PKが1点)
逸見勝利:1得点
室田祐希:1得点
皆本晃:1得点

日本の新エース・清水がスコアリーダーになっている状況は求めていたものだが、やはりアタッカー陣のゴールを増やす必要はある。ブルーノ監督が5試合を終えた時点で「ゲームの中身も確実な成長を感じられているし、ポジティブな期間を過ごせている」と手応えを示していたが、数字という目に見える結果が期待されている。

大事なW杯初戦。勝利以外はいらない

グループステージ突破へ向けては、初戦のアンゴラ戦が最も重要だ。この試合で勝ち点3を得られなければ続くスペイン、パラグアイで「勝ち点4以上」が必要になる。一にも二にも、初戦。これは間違いない。

その意味で、、同じアフリカ大陸から出場する“仮想アンゴラ”のモロッコに3-0で勝てたことは、かなりポジティブな要素だ。組織力よりも個人能力の高さを武器にしてくる相手は、日本のようなチーム力を軸にするチームにとって難敵だ。だからこそ、モロッコに勝利した“良い感触”を継続し、勢いそのままにアンゴラ戦へと向かっていきたいところだ。

アンゴラを攻略すれば、次はスペインだ。大会直前に対戦できたことがなによりも大きい。もちろん、相手にとっても条件は同じだが、日本は2年前の国際親善試合で0-3、1-9の大敗を喫した“悪夢”を拭い去り、“対等に戦える”感触を取り戻すことができた。

6連戦で手に入れたのは、課題よりむしろ「戦える」という手応え。コロナ禍で1年半近く国際試合を経験していなかった不安はもう、ないだろう。

日本が掲げた目標は「W杯で主役になる」こと。それはグループステージを突破することでなければ、ラウンド16の突破でもないだろう。世界の8強、4強、頂点──。当然、目指すべき結果とともに、その道のりで、「日本代表、ここにあり」を示せるか。

試合結果は以下のとおり

国際親善試合

◆日時:
2020年9月7日(火)18:00キックオフ(現地時間)

◆会場:
Birstonas Sports Centre(リトアニア)

◆結果:
フットサル日本代表 3(0-0)0 モロッコ代表

【得点経過】
29分 清水和也
31分 オリベイラ・アルトゥール *第2PK
38分 清水和也

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