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“ジョーダン批判”で賛否両論のピッペンに新たな味方が出現。苦労を知る元同僚が擁護「彼は謂れのない誹謗中傷を受けた」<DUNKSHOOT>

自著内での“ジョーダン(左)批判”について様々な波紋を呼んでいるピッペン(右)。そんな元同僚を、ブルズ時代のチームメイトであるキングは擁護した。(C)Getty Images
 シカゴ・ブルズで2度の3連覇を果たしたマイケル・ジョーダンとスコッティ・ピッペンは、“史上最高のデュオ”とも言われる名コンビだった。しかし、2020年4~5月に公開されたドキュメンタリー『ザ・ラストダンス』放送後に関係悪化が取り沙汰され、ピッペンが自伝『Unguarded』で元相棒を公然と批判したことが大きな波紋に。そんななか、ブルズ前期3連覇メンバーのステイシー・キングは、“ピッペン擁護派”についている。

 1984年にブルズ入りしたジョーダンは、1987年にNBAの世界に飛び込んだ3学年下のピッペンを鍛え上げ、1991~93年に最初の3連覇を達成。自身の引退期間を経て、復帰後の1996~98年にもう一度3連覇を達成した。阿吽の呼吸のコンビネーションは、シャキール・オニール&コビー・ブライアントなどと並んで歴代最高レベルと称されている。

 しかし、ブルズの最後の優勝となった1997−98シーズンを追ったドキュメンタリー『ザ・ラストダンス』の中で、チームリーダーだったジョーダンが仲間を叱咤激励して奮起を促し、栄光へと導いたように描かれていた一方、開幕前に足首の手術を遅らせたピッペンは「セルフィッシュ」な判断だったと非難された。
  これに対し、ピッペンは昨年11月に発売した著書内で「セルフィッシュとは何か知りたいかい?セルフィッシュはチームがフリーエージェントとサインするには遅すぎる、トレーニングキャンプが始まる直前に引退すること」と言及。現役引退を表明した際のジョーダンを暗に“口撃”して、波紋を呼んでいた。

 1989~94年にブルズでプレーし、控えビッグマンとして前期3連覇を経験したキングは、現在はチームのコメンテーターを務めているが、『ESPN』の『The Lowe Post』に出演した際、『ザ・ラストダンス』でのピッペンの描写に関してジョーダンを批判した。

「ドキュメンタリーはファンにとって最高のものだった。コロナ禍による緊急事態宣言下で、人々にハッピーな気分をもたらしたね。当時のブルズの新たなファンも開拓したし、多くの人々が『ザ・ラストダンス』を認識した。でも、少し誇張して大袈裟になっていると思う。スコッティの描かれ方が好きではなかった。スコッティに関する多くのことは、2度目のスリーピート(3連覇)には関係していない。かの有名な残り1.8秒事件も、MJ(ジョーダン)が引退している年(1994年)の出来事だ。個人的な意見では、それを『ザ・ラストダンス』に持ち込む必要はなかった。直接の因果関係はないからね」
  またキングは、宿敵デトロイト・ピストンズと対戦した1990年のイースタン・カンファレンス決勝、勝てばファイナル進出が決まる最終戦で原因不明の偏頭痛に襲われたピッペンを擁護している。

「スコッティはひどい片頭痛を抱えて、第7戦でデトロイトに来た。彼は涙を浮かべ、プレーしようとしていたよ。(思うように)プレーできず、見るからに動揺していた。そして、彼は謂れのない誹謗中傷を受けたんだ。チームメイトたちは何に直面していたかを知っていたし、プレーしたがっていたことも知っていた。その後、私たちはスリーピートを達成した。スコッティは自分が厳しく扱われたと感じたし、私はその経緯を理解している。スコッティは、いつも自分が本来の注目を浴びていないと感じてきた。バットマンではなく、ロビンと見なされてきたとね」
  自伝の発表以降、シャックをはじめとしたレジェンド選手たちから冷ややかな目で見られていたピッペンだが、かつて共闘したキングはその苦労を知っている分、評価されて然るべきと主張。この擁護が、ピッペンに対する評価にどう影響するか注目だ。

構成●ダンクシュート編集部

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