「引退するまでオールミズノで」“新興卓球メーカー”ミズノと大島祐哉の挑戦は続く[PR]
卓球×インタビュー 「引退するまでオールミズノで」“新興卓球メーカー”ミズノと大島祐哉の挑戦は続く[PR]
2021.06.02 取材・文:山下大志(ラリーズ編集部)
卓球選手にとって、用具選択は選手生命にも関わる重要項目だ。そのため、卓球選手とメーカーは切っても切れない関係にある。数多くの卓球メーカーが一流選手と契約し、サポートしている。
高校時代は無名ながらも早稲田大学で努力を重ね、日本代表にまで上り詰めた大島祐哉にも多くの卓球メーカーから声がかかった。
だが、最終的に大島が選んだのは、トップ選手は誰も契約していなかった総合スポーツメーカーのミズノだった。
特集最終話となる今回は、実はラバー以外にも関わりが深い、大島とミズノの歩みを振り返る。大島のミズノへの信頼はシューズから始まった。
写真:大島祐哉(木下グループ)/撮影:田口沙織>>第4話はこちら 「30点のラバー、これじゃあ使えません」ミズノ開発陣と大島祐哉、ともに歩んだ苦悩の2年間
このページの目次
- [6 大島祐哉インタビュー]()
中学時代からミズノのシューズを愛用してきた大島
大島とミズノの関係は、中学時代まで遡る。
大島の持ち味は威力抜群のフォアハンドに加えて、豊富な運動量のフットワークだ。大島は「手よりも足の方が感覚ある(笑)」と冗談を言うほどシューズを重要視しており、中学時代からミズノの卓球シューズしか使ってこなかった。
写真:Tリーグファイナルでの大島祐哉 今もミズノのシューズでプレーする/撮影:ラリーズ編集部他のメーカーでは実現できないミズノならではのシューズの感覚を大島は気に入っていた。「程よく滑りながらもグリップ力もある。この絶妙な感じがミズノでないと出せない。ストップアンドゴーが全然違います」と繊細な感覚を表現する。
写真:大島祐哉(木下グループ)/撮影:田口沙織シューズだけでなく、大学2年からはミズノラケットのフォルティウスFTも使用しており、「ミズノにはお世話になっている」と大島は恩を感じていた。
「“ミズノの大島”として、自分が先頭を切ってブランド力を上げたい」
早稲田大学4年生となった2015年、日本代表にも上り詰めた大島は、ミズノと契約することを選んだ。
大島の無理難題をミズノは実現
写真:ミズノのラケット、フォルティウス FT ver.Dを使う大島祐哉/撮影:田口沙織まず取り組んだのは、ラケット開発だ。
通常、男子トップ選手は飛距離や速さを補うため、カーボンなどの特殊素材入りラケットを使うことが多い。だが、大島は「木材の感覚が好き」と学生時代から長く木材ラケットを使用してきた。
ダブルスで出場した世界卓球蘇州大会でも大島は、ミズノの木材7枚合板、フォルティウスFTで臨んでいる。
写真:2015年世界卓球蘇州大会での大島祐哉(写真奥)/提供:ittfworld「台上のストップはもちろん、特にバック前のチキータは木材ラケットだと、どれくらい回転をかければどこに落ちるとかが自分で分かるので質が高くなる。ダブルスで森薗くんが打ちやすくするチキータという意味では、木材ラケットを使ってかなり良かった部分です」。プロ選手ならではの繊細な感覚を交えながら振り返る。
写真:大島祐哉(木下グループ)/撮影:田口沙織それほどまでに木材ラケットにマッチしていた大島だったが、世界のトップを目指すために無理難題とも言える要求をミズノに突き付けた。
「中国選手に対して、中陣での打ち合いになったときにもう少し飛ばしたいという思いが出てきた。飛ばせるようにしながらも重さも木材のフィーリングも変えないでほしい。そんなラケットが欲しいと伝えました。相当難易度は高かったと思います」。
写真:大島祐哉(木下グループ)/撮影:田口沙織だが、ミズノは大島の要望に応えた。薄くて軽い素材で何度も試作品を作り、大島との打ち合わせも重ねた。幾度もの試打の末、生まれたのがフォルティウス FT ver.Dだ。
「僕の中では理想のラケットができ上がった。打った瞬間、これだな、これに変えようと思えましたね」。
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