箱根駅伝2026|青山学院 2度目の3連覇達成!往路・復路・総合で大会新

大手町から箱根を往復する217.1kmの旅路が、今年も終わりを迎えた。
第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(以下、箱根駅伝)は、1月2日に行われた往路で青山学院大学が往路新記録で優勝。その勢いのまま1月3日の復路でも新記録を樹立し、総合優勝を勝ち取って、史上初の2度目の3連覇を成し遂げた。総合2位は國學院大学、3位は順天堂大学という結果となった。

青山学院は往路・復路・総合のすべてで新記録を樹立し、今年の箱根駅伝は3冠達成となった。なお、同大学は2015〜2018年に4連覇を成し遂げており、来年も優勝すればさらに新たな歴史を刻むことになる。少し気は早いが、来年のレースも非常に楽しみだ。

本稿では、復路の結果速報とともに、復路優勝や総合優勝の位置付けについても解説し、さらに次回の駅伝についても紹介していく。

前回記事:
箱根駅伝2026 往路結果|青山学院が大逆転で優勝!青学・黒田が「新・山の神」に

【結果速報】箱根駅伝2026 復路の順位一覧

往路の5区で大逆転をした青山学院が勢いそのままに逃げ切る形で箱根駅伝の優勝を決めた。逃げ切るだけではなく、自分たちとの勝負にも勝ち、総合タイム「10:37:34」で大会新記録、復路タイム「5:19:26」で復路新記録を打ち立て、2026年の箱根駅伝を3冠で締め括った。また、原監督にとって箱根単独で最多となる9度目のVとなった。

順位 大学名 記録
総合優勝 青山学院大学 10:37:34(総合新)
総合2位 國學院大学 10:40:07
総合3位 順天堂大学 10:43:55
総合4位 早稲田大学 10:44:29
総合5位 中央大学 10:44:31
総合6位 駒澤大学 10:44:50
総合7位 城西大学 10:46:17
総合8位 創価大学 10:51:40
総合9位 帝京大学 10:53:15
総合10位 日本大学 10:53:56
総合11位 中央学院大学 10:54:51
総合12位 東海大学 10:55:01
総合13位 神奈川大学 10:55:09
総合14位 東洋大学 10:56:27
総合15位 日本体育大学 10:56:42
オープン参加 関東学生連合 10:57:35
総合16位 東京国際大学 10:58:16
総合17位 山梨学院大学 10:58:20
総合18位 東京農業大学 11:01:12
総合19位 大東文化大学 11:04:57
総合20位 立教大学 11:05:58

箱根駅伝のルールおさらい:往路優勝、復路優勝、総合優勝とは?

箱根駅伝は、全10区間・217.1kmの距離を10人のランナーでつなぐ大学対抗の駅伝で、1月2日の往路(1区〜5区)と、1月3日の復路(6区〜10区)に分かれて行われる。

往路優勝は、1区〜5区の合計タイムで最も早くゴールしたチームに与えられる。逆に、復路優勝は6区〜10区の合計タイムで競われ、往路の結果に関係なく、復路単体での勝者を決めることになる。

そして、駅伝全体の勝者である総合優勝は、往路と復路の合計タイムで決まる。つまり、往路でトップでも復路で大きく遅れると総合優勝はできず、逆に復路で追い上げても、往路のタイム差が大きすぎれば総合優勝は難しい。

復路のスタートは、往路のゴール順位に応じて時間差をつけてスタートする仕組みになっている。往路でリードしたチームは、その差を保ったまま復路スタート。追うチームは、その差を追いかけながら順位を争う形となる。この方式によって、復路のゴール順と総合優勝の両方が自然に決まるようになっている。

箱根駅伝では、各種優勝の決まり方が少しややこしい。まとめると次の通りだ。

往路優勝 1区〜5区の合計タイムで決まる(このタイムがそのまま順位になる)
復路優勝 6区〜10区の合計タイムで決まる(順位に関係なくタイムが良い大学が優勝)
総合優勝 往路+復路の合計タイムで決まる

復路は往路のゴール順に応じて時間差をつけてスタートするため、順位はそのままでも、復路単体でのタイムでは別のチームが一番になる場合もある。このルールを知っておくと「なぜ復路で逆転劇が起きるのか」や「総合優勝との違い」が一目で分かるだろう。

また、優勝とは関係ないところで言えば、総合順位の上位10校は翌年のシード校として、無条件で箱根駅伝に出場できる権利を獲得できる。ただし、11校目以降はそのシード枠から外れてしまうために、また予選会から始める必要がある。予選会を勝ち抜くことで箱根駅伝の出場権を獲得できるわけだが、当然予選を勝ち抜ける保証はどこにもない。優勝はできないにしてもシード権だけは獲得する。そんな意地が見られることも、復路のひとつの魅力であろう。

激闘の箱根駅伝2026:復路レース展開まとめ

昨日の往路・5区のとてつもない逆転劇の余韻が残る箱根。復路は、全員が駆け上がった山を今度は下るところから始まる。人によっては「登りよりも辛い」と語るのが、6区の“山下り”だ。また復路に関しては、往路の段階で先頭から10分以上の差がついた学校は「先頭がスタートして10分後に一斉スタート」というルールがある。今年は14位以下の8校がこの一斉スタートの対象となった。
1位を走る青山学院は、石川(1年)がルーキーらしからぬ快走で見事に山下りを制しトップでタスキリレー。次点で早稲田、中央、國學院と6区終了時点で順位に変動はなかった。

7区で状況が動き始める。2位と約1分半の差があった國學院の高山(4年)が、早稲田・中央の2位集団を捉えて一気に逆転。その快走は続き、國學院はそのまま2位でタスキをつないだ。この時点で1位の青山学院とは1分28秒差。往路2位だった早稲田は中央についていけず4位に後退。一方、7位から6位に順位を上げた順天堂がジリジリと迫る展開となった。

「遊行寺の坂(ゆぎょうじ)」でも有名な8区は、800mの距離で標高差30mという急坂を要し、箱根駅伝全コースの中でも屈指の難所だ。この区間では各校がエース級の選手をアサインした。そんな中、青山学院の塩出(4年)が貫禄の走りを見せる。2年連続で区間賞を受賞している塩出は、今回も区間新をマーク。8区での区間新記録は7年ぶりとなった。

残るはほぼ直線のスプリント勝負となる9区と10区。9区でも引き続き先頭を走る青山学院は、佐藤(4年)の安定した走りで首位をキープ。また、2位の國學院とはさらに15秒の差を広げ、1分44秒差から1分59秒差でアンカーにタスキをリレーした。

鶴見中継所では、大東文化大学と立教大学が繰り上げスタートとなった。立教は31回の出場で初めてタスキを繋げなかった。箱根駅伝では、トップから20分差がつくと次走者はタスキを受け取らずに強制スタートさせられるルールがある。タスキを繋げなかったことや区間記録が公式に残らないことに、落胆する選手も多い。こうした出来事も、箱根駅伝ならではのもうひとつのドラマである。

栄光のフィニッシュテープが待つ大手町。アンカーの10区では、これまで以上に沿道に多くのファンが集まり、選手たちに声援を送った。駅伝における「2分」という差は、そう簡単には埋まらない。往路5区で青山学院の黒田(4年)が2分12秒差を逆転する奇跡が起きたが、そうそう起きることではない。

青山学院はアンカーの折田(2年)も安定した走りを見せ、2位の國學院との差を詰められることなく逃げ切り、大手町のゴールテープを最初に切った。2位は國學院、3位は順天堂。順天堂がTOP3に入るのは数年ぶりで、実況解説も「強い順天堂が帰ってきた」と声を張った。また、10区で区間新を樹立したのは駒澤大学の佐藤圭汰。7位で受け取ったタスキを1つ順位を上げ、意地の6位で最後の箱根を走り切った。

史上初となる2度目の3連覇。往路、復路、総合全てで新記録樹立

今年の青山学院は、決して「圧倒的に強い」と言われるメンバーではなかった。黒田や塩出など4年生の実力者はいるものの、今回のエントリーでは、初めて箱根を走るメンバーが6名もいた。そんな状況の中でも青山学院大学が優勝できたのは、原監督の手腕が光った結果だろう。さもなければ、タレント揃いのチームに勝つことも、大会記録を出すことも難しかったはずだ。

実際、青山学院は総合タイム「10:37:34」で大会新記録、復路タイム「5:19:26」で復路新記録を打ち立てた。往路でも新記録を樹立しており、今大会は往路・復路・総合の3冠を達成した。個人の力とチーム力の両方を見せつける、圧巻の結果である。

箱根の次は?日本三代駅伝とニューイヤー駅伝

箱根駅伝の熱戦が終わると、正月の大学駅伝シーズンもひと段落。しかし、日本には箱根以外にも注目すべき駅伝大会がいくつかある。

出雲駅伝(毎年10月:島根県出雲市・出雲大社周辺)

大学駅伝の秋の開幕戦。6区間・45.1kmをタスキで繋ぐ。最も短いのは2区の5.8kmで最も長いのは6区の10.2km。全日本や箱根は1区間おおよそ20km前後は走るため、出雲は短距離としばしば称される。

全日本大学駅伝(毎年11月:名古屋・熱田神宮〜三重・伊勢神宮)

古屋・熱田神宮〜三重・伊勢神宮8区間の106.8kmを走る中距離〜長距離コース。チーム力の総合力が試される大会で、箱根への前哨戦としても重要視される。

上記、出雲駅伝と全日本駅伝、また箱根駅伝の3つが「学生三大駅伝」と言われる。

ニューイヤー駅伝(毎年1月1日:群馬県前橋市〜伊勢崎市)

社会人チームが中心の大会で、正月に行われるもう一つの注目駅伝。実業団ランナーの迫力ある走りが魅力で、箱根とセットで正月の風物詩になっている。毎年のように、前年まで箱根駅伝を走っていたランナーが出場するなど、卒業後の活躍を見ることができるため、毎年楽しみにする人たちも多い。

これらの大会は、箱根駅伝と比べるとやや専門色が強いが、チームごとの戦略やエースの活躍など、箱根同様に見どころは満載だ。箱根駅伝につながる物語も立体的になるだろう。また大学駅伝ファンはもちろん、正月にテレビをつけてたまたま箱根駅伝を見た方も、箱根をきっかけにこれらの大会に注目すると、さらに駅伝の面白さが広がるだろう。
来年も青山学院が制し2度目の4連覇となるのか、他校が待ったをかけるのか。引き続き注目したい。