Bリーグクラブの地域貢献活動事例5選|子ども食堂,地域活性化などの事例を紹介

Bリーグクラブは、バスケットボールの試合を通じて人々を楽しませる存在であると同時に、地域社会の一員としてさまざまな課題に向き合ってきました。

少子高齢化や地域のにぎわい創出、子どもの居場所づくり、健康づくりなど、地域が抱えるテーマは多岐にわたります。

そうした課題に対し、Bリーグクラブはスポーツの力や発信力、そして人をつなぐ力を生かし、地域と連携した独自の取り組みを展開しています。

そこで本記事では、Bリーグクラブが実践している地域貢献活動の事例を紹介し、プロスポーツクラブが地域にもたらす価値や可能性について考えていきます。

 

秋田ノーザンハピネッツ

1つ目が、秋田ノーザンハピネッツの事例です。

秋田ノーザンハピネッツは、地域に根ざした社会貢献活動の一環として、秋田県で初、国内のプロスポーツチームでも初となる常設の子ども食堂を運営しています。

この取り組みは、子どもたちを中心に据えた第三の居場所づくりを目的とし、食事の提供だけでなく、地域全体で子どもを見守り育てる仕組みを構築している点が特徴です。

クラブは行政、企業、NPOなどと連携し、継続可能な運営体制を整備。企業協賛や食材提供、ボランティア参加を通じて、地域資源を循環させるエコシステムを形成しています。

また、単なる支援にとどまらず、子どもたちの学びや交流の機会を生み出し、孤立の防止や健全な成長につなげています。

 

茨城ロボッツ

2つ目が、茨城ロボッツの事例です。

茨城ロボッツは、1993年のデパート撤退以降、長年空地となっていた水戸市中心市街地の遊休地を活用し、まちなかスポーツ・にぎわい広場「M-SPO」を2017年にオープンしました。

M-SPOは、子どもたちの記憶に残る「ふるさと」をつくることや、市民のライフスタイルにスポーツを自然に組み込むことを目的とし、バスケットボールコートや芝生広場、イベントスペースを備え、市民が日常的に集い、運動や交流を楽しめる拠点として整備されています。

スポーツ体験、スクール、イベント、マルシェなどが行われ、昼夜を問わずにぎわいを創出しています。

また、茨城ロボッツ、行政、民間企業、地域住民が連携する実施スキームが示され、スポーツクラブが主体となって公民連携のまちづくりを進める点が特徴です。

 

川崎ブレイブサンダース

3つ目が、川崎ブレイブサンダースの事例です。

「若者文化とスポーツの融合」をテーマに、クラブと川崎市が連携し、日常的に利用される若者文化拠点(公共施設)をクラブが指定管理者として運営する先進的なモデルです。

施設では、バスケットボールを軸に、ダンス、ストリートスポーツ、アートなど多様な若者文化が共存し、自由な表現と交流が生まれています。

スポーツ施設でありながら文化活動の場としても機能し、若者が集い、挑戦できる「居場所」を創出している点が特徴です。

また、行政、クラブ、企業、クリエイターが役割分担しながら、制度設計・空間活用・運営を一体で進めており、従来は行政単独で担われがちだった文化施設運営に新たな価値をもたらしています。

 

琉球ゴールデンキングス

4つ目が、琉球ゴールデンキングスの事例です。

琉球ゴールデンキングスの「キングス商店街」は、新アリーナ開業を契機に、試合観戦とまちなか消費を結びつけることを目的とし、アリーナ来場者が試合前後に商店街を回遊できる仕組みを構築した取り組みです。

クラブと商店街、沖縄市が連携し、シャトルバス運行やイベント開催、スタンプラリーなどを実施。

キングスカラーやマスコットを活用した装飾により、日常の商店街に“応援文化”を根付かせ、非試合日でもにぎわいを生む工夫が施されています。

この取り組みにより、来街者数や滞在時間が増加し、地域経済への波及効果が生まれました。

 

ベルテックス静岡

5つ目が、ベルテックス静岡の事例です。

ベルテックス静岡は、静岡の未来を共に考える場を創出することを目的に、市民・企業・行政をつなぐ対話型プラットフォーム「THINK SHIZUOKA」を展開しています。

この取り組みは、ワークショップや対話型イベントを通じて、スポーツをきっかけに地域課題やまちの可能性について意見を交わし、参加者同士の相互理解や新たなつながりを生み出している点が特徴です。

行政や企業、教育機関なども参画し、クラブの発信力を生かしたオープンな議論の場として機能しています。

THINK SHIZUOKAは、試合興行にとどまらず、スポーツクラブが地域の「考える場」をつくる存在になり得ることを示す取り組みです。