
「ダンロップフェニックス」の練習場を訪れてみると、前週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で優勝した金子駆大(こうた)がパター練習をしているのだが、その足元を見るといつも履いているフットジョイの『HyperFlex』ではない目新しいシューズを着用していた。早速そのことについて本人を直撃してみた。
「実はきょう初めて試しているんです」というシューズは、白ベースでカカト部分が紺色。ソールを見てみると、スパイクレスで赤と紺が交差しており「X」のような模様にも見える。フットジョイでこのソールといえば『Pro/SLX』が想起される。おそらく後継モデルなのだろう。
金子は続けて、「スパイクレス自体も今まで履いたことがなくて、正直あんまり(スパイクと)変わらないという印象です。スイング中のホールド感もありますし、グリップ力もある。スパイクは鋲がたまに外れることもありますが、そういうのがないのは嬉しいかもしれませんね」と話し、好印象の様子だった。
こうなると、他にも試している選手がいるはず。フットジョイの契約プロ数名に話を聞いていると、シューズの機能性の高さが見えてきた。
練習ラウンドで実際に履いていたのは、前田光史朗。「とにかく軽いですね。少し硬さはありますが、履き慣れたら問題ないと思いますし、今使っている『HyperFlex』より軽いぶん疲れにくいと思います。また、『HyperFlex』はクッション性が高いので靴の底を踏んでいる感じがするんですが、このシューズは地面をしっかり踏めて、ショットのときに足をしっかり使える感覚があります」と軽さとソールのしっかり感に満足の様子だ。
同様の感想を持ったのは、普段はクラシカルな『プレミアシリーズ』を愛用し、ともに今季初優勝を挙げた阿久津未来也と下家秀琉だ。阿久津は「ソールが硬めでしっかりしているし、地面を踏めると思う。ソールがX状になっていて、スイングでもXファクター(捻転差)が大事といわれていますが、その力の動きを考慮して作っているのだろうなと思います。飛ばしの要素にもなりそうですし、まだスイッチするかは未定ですが、履くのが楽しみなシューズです」と語り、下家は「ソールがしっかりしている方が好みなので、今使っているものに近い。それにホールド感が高いのでスイング中のブレもありませんでした」という。
練習場で試していた篠優希は「グリップ力がいいですね」と、スパイクレスで不安に感じるグリップ力にも問題がないと話す。「今は『Pro/SLX』を使っていますが、スイング中に少しタテに滑る感じがあったんです。ただ、このシューズは突起部分が長いですし、今のものと突起の向きも違うのでしっかり地面をつかんでくれる。実は先週の試合で試したんですが、グリーンに残る足跡を見て、地面に食い込んでいる度合いが全然違うと目で見て分かりましたね」と、今週は『Pro/SLX』に戻すというが、「すぐにスイッチはできそう」とも話している。
ちょっとした注意点を教えてくれたのは飛ばし屋の幡地隆寛。「実はきのう試してみようと思ったんですが、いつも使っているものより少し小さくて……多分0.5センチアップで履くのがいいのかな。まだしっかり試せていないので、早く試したいですね」。
さらに国内女子ツアーでも、男子とは色が違うが、同じ特徴のシューズを試している選手を発見。今季トップ10に7度入る活躍を見せる小林光希とツアー2勝を誇る岡山絵里の2人だ。
小林は「安定感があるなと思います。ドシっと踏ん張れる感じ。足先の方は広めですが、靴紐タイプなので自分できつさを調整できるのも嬉しいです。それに色がものすごく可愛くて、形もスニーカーっぽくて可愛いのも気に入ってます」といい、前週の「伊藤園レディス」から早速投入している。
元々クラシックタイプを使っていたが「中で動くことが多い」というのが悩みだった岡山だが、「カカト部分がずっと密着している感じで、パカパカしない」と太鼓判を押す。また、「シューズ内はふわふわしているけど、ソールはしっかりしているのでスイング中に踏ん張れる。スパイクレスなのに滑らない」と好印象で、こちらも早速「伊藤園レディス」で実践投入していた。
まだ、メーカーに聞いても何も情報がもらえないので、選手のインプレッションのみから推察するしかないが、スパイクレスながらもグリップ力とホールド感はバツグンなようだ。今後の続報に期待したい。
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