
<アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン 初日◇13日◇ペリカンGC(フロリダ州)◇6349ヤード・パー70>
鮮烈なデビュー戦になった。ドナルド・トランプ米大統領の孫娘、カイはバーディを奪えずに「83」。13オーバーで最下位に沈んだが、集まったファンを最後まで惹きつけた。
高校3年生の18歳。アマチュアとしての実績はまだ少ないが、特別招待枠で出場し、大会前から大きな注目を集めていた。ラウンドについて歩くギャラリーは、女子ゴルフ界のスターであるネリー・コルダ(米国)に匹敵どころか、上回っていたように見えた。
ロープ内外では常に、10人ほどの私服SPが目を光らせていた。異様な空気をまとった一日に、同組で回った渋野日向子は「すごい雰囲気だった」と振り返る。
「最初のホールですごく緊張しているのが伝わった。なんなら、自分もきょうは緊張しました(笑)。めちゃくちゃいい子。私が英語を話せないので、なかなか話せなかったけれど、一打一打を丁寧にやっていた。自分の小さい頃を思い出す感じで新鮮。一生に一度あるかないかの経験ができました」
カイ自身も「予想以上に緊張した」と振り返る。その緊張は昨年、共和党全国大会(RNC)で壇上に立ち、スピーチをしたとき以上のものだったという。「でも、いいショットをたくさん打てたと思う。求めていた通りのプレーではなかったけれど、初めての大会としてはかなり良かった」。
ティショットでは“先輩たち”をアウトドライブするシーンもあった。「自分が飛ばせることは分かっていたけれど、世界最高の選手たちとプレーして、同じ位置にいたり、いくつかのホールでは飛ばせたりした。高校3年生という年齢を考えても、本当にクール」と声を弾ませた。
予選通過は厳しい状況だが、この貴重な経験を大事にしたい。あすも一打一打に力を込め、集まるギャラリーを魅了する。(文・笠井あかり)
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