浅地洋佑がLIV出場“圏内”に浮上 参戦へ意欲「経験としていいものになる」

浅地洋佑は溝口裕作キャディ(左)と勝利をつかんだ
(撮影:ALBA)

<マオタイ シンガポールオープン 最終日◇9日◇ザ・シンガポールアイランドCC(シンガポール)◇7295ヤード・パー72>

高額賞金がかかるアジアンツアーの「インターナショナルシリーズ」第8戦は、浅地洋佑がワン・ジョンフン(韓国)とのプレーオフを制して優勝。同シリーズのポイントランキングでも2位(285.30pt)に浮上した。

このシリーズは、LIVゴルフが始まった2022年に創設され、アジアンツアーの公式スケジュールに組み込まれている。通常のトーナメントでは最高でも賞金総額100万ドル(約1億5300万円)だが、インターナショナルシリーズはいずれもその2倍規模のビッグマネーが懸かる。

さらに、シリーズ独自のポイントランキングも実施されており、上位2名(有資格者を除く)には翌年のLIVゴルフ出場権が与えられる。

3週前の「インターナショナルシリーズ・フィリピン」では2位に入り、ランキング13位で今大会に乗り込んだ。大会初日には「LIVがちらつく」と話していたように、強く意識はしていないが、ランキングのことは頭の片隅にあった。

そして今回、優勝によって一気に同2位へ浮上。LIVゴルフ出場権獲得が現実味を帯びてきた位置に「LIVを目指して頑張りたい」と目標も明確になった。

LIVゴルフに参戦する場合、PGAツアーへの出場はできないという制約もある。それでも「自分で取ったチャンス。人生の経験としてかなりいいものになると思います」と、出場への強い意欲を見せる。

また、同シリーズにはLIVゴルフで戦う選手も多く出場しており、浅地もそのプレーを間近で見てきた。「いい選手がたくさんいる」と語り、高いレベルでプレーできることを大きな魅力として感じている。

とはいえ、ポイントレースはまだ終わっていない。「ポイントがかなり高いので、気を引き締めて、いい成績で終えられれば」。シリーズ最終戦(11月19日~)はサウジアラビアで行われ、賞金総額は500万ドル(約7億7000万円)。優勝者には324ptが与えられるため、“圏外”の選手にも一発逆転の可能性が残されている。

フィリピン、香港、シンガポールの3連戦をこなし、久しぶりの帰国。今週は日本ツアーの「三井住友VISA太平洋マスターズ」が控える。「日本のファンが待っているかもしれないので、頑張りたい」。サウジ大会を前に、今は“凱旋”となる御殿場決戦で結果を残すことに集中する。(文・齊藤啓介)