
上田綺世(写真:ANP Photo/アフロ)
第11節にしてすでに13得点を挙げているフェイエノールトの上田綺世だが、そのコンディション維持法を欧州でプレーする日本代表選手たちも参考にすべきだろう。
チームの理解と協力を得た上田は、オランダリーグ(エールディビジ)得点王へとひた走っている。
日本人トレーナーとの連携とメディカル部門との連携による負荷の調整
上田綺世は元々日本人選手としてトップクラスの能力を持っていたが、欧州リーグに移籍してからは怪我がちでCFのポジションを確保しきれずにいた。
しかし、今季からは強豪フェイエノールトでガッチリとCFのポジションを確保し、エースとして結果を出し続けている。
これは決して「運が良かったから」ではない。
自身の能力を常に出し切れるようにコンディション維持に務めているからこそ、高い評価を得られているのだ。
ワールドシリーズを制しMVPを獲得した山本由伸がトレーナーの矢田修氏と二人三脚で取り組んできたように、上田も日本人トレーナーの中田貴央氏と組みコンディション維持に努めている。
クラブのメディカルに頼り切ってしまうと、どうしても言語の違いや価値観の違いが生じコンディションは維持しにくくなる。
日本人トレーナーと連携することで、個人としてのコンディション維持は格段にしやすくなっているはずだ。
そしてクラブ側がその取り組みを尊重し、負荷の調整に協力している点も非常に大きなポイントだといえる。
上田はクラブと話し合いながら負荷が大きくなりすぎないように出場時間を調整している。
日本代表の試合から戻った際にも、出場時間を限定し負荷を少なくしていた。
欧州でプレーする日本代表選手たちは上田のコンディション維持法を参考にすべき
日本代表はFIFAランキング19位であり、たとえW杯優勝の経験がある強豪国が相手であっても勝ちに行けるほどの実力を身につけた。
しかし、ここ数年は怪我人が続出しており、ベストメンバーが組めない状況が続いている。
日本代表のアイコンとも呼べる久保建英や三笘薫なども、これまで疲労や怪我を抱えながら強行出場してきた経緯があり、実力通りの結果が残せていない。
日本人は頑張りすぎる(真面目過ぎる)国民性であるため、必然的にコンディションを崩しやすい。
骨格や体格、身体能力に勝る選手たちとインテンシティの高い戦いをしていけなければならないため、どうしてもコンディションを崩したり怪我をしたりといったリスクは高まるわけだ。
そのため、クラブで一定以上の評価を得ている日本人選手は、上田のようにコンディション維持の意識をより高めるべきだろう。
強行出場はW杯やCL、リーグの優勝争いといった場面であれば致し方ないが、それ以外の場面では「良いコンディションをいかに保つか」という考えを優先すべきではないか。
北中米W杯まで残り7ヶ月程度となるが、日本代表の主力選手たちはぜひコンディション維持の意識を高めてほしいものだ。
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