
<NOBUTA GROUP マスターズGC レディース 2日目◇24日◇マスターズゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6562ヤード・パー72>
前半と後半では別人だった。3バーディで折り返して3ボギー。コツコツと貯めた貯金をはき出すパープレーに渋野日向子はホゾをかんだ。
「前半は耐えていたけど、後半はパットがずれだして、なかなか厳しかったですね。ショットもパットもリズムが速くなってしまった。すごく残念な後半でした」
首位と5打差の25位から出て、出だしの1番パー5で幸先よくバーディを奪った。右ラフからの3打目をピン手前3メートルにつけて、パットも真ん中からきれいに沈めた。9番パー4は残り125ヤードの2打目をピンそば1メートルにつけるなど、ほぼ満点プレー。9ホールで4打差の6位にまで順位を上げた。いいリズム、いい流れ。このままインに向かいたかったが、避けては通れない30分ほどの“待ち時間”に流れは寸断された。
「日本ならではの休憩がありますからね。お腹もすいたし、ご飯を食べていただけなんですけどね。そのままスッーと行けたらいいけど、なかなか難しいです。あっ、別に休憩のせいじゃないですよ。私の責任。準備が足りなかっただけです」
アウトとインで同時にスタートすると、どうしてもハーフターンのときに渋滞が発生する。日照時間の長い夏場は午前組と午後組に分けることで渋滞は解消できるが、午後5時半には暗くなるこの時期は常に日没サスペンデッドとなる。日の入りが遅い欧米ではほとんど見られない“休憩タイム”。渋野は重ねて「全部、私のせいですから」と念押しし、「3バーディで来ていたし、ノーボギーだったし、すごく頑張りたかった」と後半の失速を悔やんだ。
「前半できたことが、後半できなかった。上に行きたいという気持ちが強すぎて、空回りしました。リズムは速くなったし、力が入ってしまった。克服するのはなかなか難しいですね」
8月の米ツアー「ポートランドクラシック」の2日目、3日目以来となる2ラウンド連続のアンダーパーは惜しくも逃した。それでもトータル1アンダー・29位タイに踏みとどまり、週末の2日間をプレーできる権利は手にした。「あと2日できるのはホントありがたい。上に行くだけです」。『欲』は向上心。その思いがある限り、「力んで悪さをする自分」を手なずけて、上に行けるときは必ずやって来る。(文・臼杵孝志)
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