女子バスケ「Wリーグ」開幕!今年はどのチームが強い?どのチャンネルで見ることができる?【女子バスケの軌跡 Part.3】

10/18(土)に開幕した日本の女子プロバスケリーグ「Wリーグ」。
開幕前のユナイテッドカップやシーズン終了後のPLAYOFFSを除き、レギュラーシーズンは1チーム当たり28試合(Wフィーチャーは24試合)を、10月から翌2月にかけて行う。
町田瑠唯率いる富士通レッドウェーブ(以下富士通)は昨年・一昨年でチーム初の連覇を達成しており3連覇がかかるシーズン。2年連続決勝で敗れているデンソー・アイリス(以下デンソー)のリベンジや、はたまた2000年代の女子バスケを圧倒的にリードしてきたJX-ENEOS サンフラワーズ(以下エネオス)の復活なるか、などなどたくさんの見どころがある。

今回はWリーグの魅力と見どころを紹介しながら、視聴方法など基本情報も抑えてお届けしたい。

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W PREMIER:チーム史上初の3連覇へ。富士通の勢いをどこが止められる?

16-17年ぶりの3戦先勝方式が導入された昨年のPLAYOFFS FINAL。決勝のカードは富士通vsデンソーだったが、やはりGAME.4は衝撃的なものがあった。

GAME.3の時点で2勝1敗で大手をかけていたデンソーが、GAME.4はたった「35点」しか取ることができずに大敗したのだ。この「35点」は女子バスケの決勝では過去最低得点という不名誉な記録となってしまい、さまざまなメディアもこれを報じた。2勝2敗で勝ったほうが優勝というシチュエーションで、結果的には75-60で富士通がシリーズを逆転して制した。結局、最後も富士通の固いディフェンスの前に、デンソーは上手く得点することができなかったのだ。

2年連続で女王の座に君臨し、今年3連覇がかかる富士通を、どのチームが止められるか。まずここが、今シーズンの見どころである。ちなみに、開幕の10/18-19の2日間は去年の決勝の再戦・富士通vsデンソーというカードで、1勝1敗の痛み分け。両者がこの後どのようにシーズンを駆け抜けるのか。

▼直近3年の優勝チーム

シーズン 決勝カード・結果 ※()内は優勝回数 FINAL MVP
2022-23 ENEOSサンフラワーズ(23)2 - 1 トヨタ自動車 渡嘉敷来夢
2023-24 富士通レッドウェーブ(2)2 - 1 デンソーアイリス 宮澤夕貴
2024-25 富士通レッドウェーブ(3)3 - 2 デンソーアイリス 町田瑠唯

富士通の3連覇をどのチームが阻止するかが一番の注目ポイントではあるものの、それ以外にも大きな目玉となっているのが「外国籍選手の規定改訂」だ。
これまでWリーグに登録できる外国籍選手は『通算5年以上日本国に在留している選手』という条件があった。これを満たせば登録が認められていたが、今シーズンよりその条件を撤廃。これまでは各チームが日本の中学・高校・大学でプレーしていた外国籍選手を獲得していたが、今年からのルール変更にともなって、各チームが新たな外国籍選手の獲得を発表。WNBA経験者や海外での代表歴を持つ選手なども今年はWリーグに名を連ねることになった。ちなみに、オンコートのルールは変わらず、外国籍選手+帰化選手の最大2名がコートに立てる。外国籍選手の登録は2名まで可能であるが、この2名が同時にコートに立つことはできない。

この条件撤廃からすぐに「日本でプレーしたい!」と外国籍選手が日本に集まってきているのは、間違いなく東京五輪で銀メダルを獲得したことも大きいだろう。「競技レベルが高く環境も整っている日本に行きたい」と思う選手は少なくないのだ。

▼注目の新規外国籍選手

チーム 選手名 プロフィール
富士通レッドウェーブ アカトー・オーサリテン・エブリン ナイジェリア出身/190cm/センター/元ダラス・ウイングス
デンソーアイリス アニマム・ジャックダニエル フィリピン出身/190cm/センター/フィリピン代表選手
ENEOSサンフラワーズ プレッチェル・レイン・アシュテン アメリカ出身/196cm/センター/元コネチカット・サン
トヨタ自動車アンテロープス シュック・カイリー アネット アメリカ出身/196cm/センター/元ニューヨーク・リバティ

 

W FUTURE:日立復活?三菱のリベンジ?新たなスター誕生の年になるか

1997年のWリーグ開幕からずっと日本の女子バスケ界を牽引してきた内の1つである日立ハイテク クーガーズ(以下日立)が降格してしまったことは、業界内でも大きな衝撃になった。2024-25シーズンはたった4勝しかできずに自動降格となってしまっただけに、今年は必ず1年でプレミアに復帰すると意気込んでいる。

Wリーグでも経験豊富なメンバーを揃えていることもあり、この土日は姫路イーグレッツを圧倒。GAME.1を90-43、GAME.2を100-55という結果で締めくくった。目立ったのはやはりディフェンスであり、10人によるタイムシェアでずっと足が動いていた印象だ。機動力のある攻守は今シーズン彼女たちが最も打ち出しているチームの強み。残りのレギュラーシーズンも強みを継続して走り抜けたいところだ。

また、昨年Wフィーチャーで2位となり、今年もプレミア昇格を虎視眈々と狙う三菱電機コアラーズ(以下三菱)は、今年から新規参入となったSMBC TOKYO SOLUA(以下SMBC)と対決。こちらも三菱の2勝という結果になり、SMBCの初勝利はお預けとなった。同時に三菱は、シーズン開幕前に急遽加入が発表された女子3x3日本代表でアジアカップでは銀メダルを獲得した髙橋芙由子を少ないプレータイムではあるが起用。こちらも初得点はお預けとなったが、3x3で日本トップランカーである彼女のWリーグ初挑戦は今後も見逃せない。

ちなみに、WフィーチャーもWプレミア同様に、外国籍選手の規制が解除された。特にWプレミアへの昇格を目指しているチームの注力具合が見て取れるが「育成」も担うWフィーチャーにおいては、日本で中高大と過ごしてきた留学生の新規加入も目立った。

▼注目の新規外国籍選手

チーム 選手 プロフィール
日立ハイテククーガーズ デヴォス・ローレ ベルギー出身/185cm/パワーフォワード/ベルギー代表
三菱電機コアラーズ サイーシャ・ゴリー アメリカ出身/188cm/センター/元ワシントン・ミスティックス

Wリーグは、バスケットLIVEで観戦可能

WリーグはBリーグも全試合配信している「バスケットLIVE(月額550円)」にて視聴できる。もちろん会場に行って観戦することも可能だ。観戦チケット自体は安い席で3,000円前後、コートサイドは1万円程度で購入できる。一度現地で観戦することもオススメしたい。

特に今年は富士通の3連覇をどこが止めるか、また外国籍選手の獲得ルール緩和によって大きく勢力図が変わるため、注目ポイントが多い。女子選手でも2m級の選手が非常に増えたため、男子に負けず劣らずの大迫力のバスケットが展開されている。これによって戦術面も大きく変わるため、これまでの女子バスケとは変わっていくはず。
きっと今年は女子バスケの歴史が変わるターニングポイントの1年になるだろう。その瞬間を、見逃すな。

チケット情報:https://fan.pia.jp/wjbl/ticket/detail/75/
バスケットLIVE:https://basketball.mb.softbank.jp/

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